日産自動車は、世界的な電動化の流れを受けて、電気自動車(EV)戦略を大幅に加速させている。同社は2026年度までに新型EVを複数投入し、主要市場での電動車比率を大幅に引き上げる計画だ。特に、独自のハイブリッド技術「e-POWER」を進化させ、EVへの橋渡し役として位置づけている。
新技術「e-POWER」の進化とEV戦略
日産のe-POWERは、エンジンを発電専用とし、モーターで駆動する独自システム。第2世代ではエンジン効率を50%向上させ、燃費性能を大幅に改善。この技術をベースに、完全EVへの移行をスムーズに進める狙いだ。また、同社は2028年までに全固体電池を搭載したEVの量産を目指しており、これにより航続距離と充電時間の課題を解決するとしている。
日産の電動化戦略の中心となるのは、2026年までに投入する新型EV「アリア」の派生モデルや、コンパクトEV「サクラ」の後継車種。これらの車種には、新開発のプラットフォームとバッテリーシステムが採用され、航続距離は500km以上を目標としている。また、同社は中国市場向けに、現地パートナーとの協業で低価格EVの投入も計画している。
バッテリー革新と生産体制の強化
日産は、バッテリーのコスト削減と性能向上に注力。2028年までに全固体電池の量産を開始し、従来のリチウムイオン電池と比較してエネルギー密度を2倍、コストを50%削減する目標を掲げる。この技術は、EVの普及を加速する鍵とみられている。また、同社は英国のサンダーランド工場にバッテリー生産工場を新設し、年間9万台分のバッテリーを供給する計画。これにより、欧州市場でのEV供給体制を強化する。
さらに、日産はバッテリーのリサイクルにも取り組み、使用済みバッテリーを家庭用蓄電池として再利用する事業を開始。これにより、資源の循環利用とコスト削減を両立させる。同社は、2030年までに電動車の販売比率を主要市場で50%以上に引き上げることを目標としており、この目標達成にはバッテリー技術の革新が不可欠としている。
市場の反応と今後の課題
日産の電動化戦略に対して、市場からは一定の評価がある。アナリストからは「e-POWERの進化は競争力の強化につながる」との声がある一方、中国市場でのシェア拡大には課題も指摘されている。また、全固体電池の量産化には技術的なハードルが残っており、実現時期に注目が集まる。日産は、これらの課題を克服し、電動化で先行するテスラや中国メーカーに対抗できるかが問われている。



