レクサスIS300h version L試乗:走行性能向上と竹素材採用の魅力
レクサスIS300h version L試乗:走行性能向上と竹素材

トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」のハイブリッド車(HV)「IS300h version L」に試乗した。今回の試乗車は今年1月に一部改良されたモデルで、内外装のデザインが変更されたほか、電動パワーステアリングを見直すなどして走行性能を向上させている。試乗はクルマを操作するという楽しみを再認識させる時間となった。

FRスポーツセダンの熟成とデザイン強化

「IS」はコンパクトFR(後輪駆動)スポーツセダンだ。国内では、初代がトヨタブランドの「アルテッツァ」という名称で1998年に発売され、2005年の2代目から「IS」として販売されている。今回の改良では「熟成」を開発のキーワードに「ドライバーがクルマと対話できる気持ちのいい走り」と「アグレッシブでスポーティーなデザイン」に磨きをかけたという。

今回試乗した「version L」は快適性や高級な質感を追求したグレードだ。外観の正面デザインは、スポーティーな「F SPORT」のメッシュパターン専用スピンドルグリルに対し、「version L」は車体低くに構えたフロントグリルを採用し、低重心かつワイドなスタンスを強調。ブレーキダクト(ブレーキの温度上昇を防ぐため、走行中の風を取り入れる部品)を取り込んだフロントグリルは、高い質感と引き締まったイメージを演出している。

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足元は19インチのアルミホイールを採用し、従来のシャインシルバーメタリックから「ブラック塗装+ダーククリア切削光輝」に変更。切削光輝処理とは、アルミホイールの表面を特殊な刃物で削り出し、金属本来の輝きを引き立たせる表面処理で、全体はブラック塗装ながら外に接する面を切削光輝処理し、引き締まったイメージを強調している。

電動パワーステアリングとAVSの改良で走りが進化

走行性能では、電動パワーステアリングを改良し、特殊な歯車技術を採用。直進時にはハンドルから伝わる揺れを抑えて車体のブレを防ぐ一方、曲がる時などハンドルを大きく回す場面では、少ない舵角でもタイヤが大きく向きを変えるようにして軽快な取り回しを可能にした。運転中のハンドルの操作量を減らすことは、疲労の軽減にもつながる。

また、快適な乗り心地に関わる電子制御サスペンション(AVS)も改良されている。新規部品の採用によって、制御反応度が大幅に向上。荒れた路面の凹凸はしっかり吸収する一方、路面がフラットな場面では操縦安定性を優先するといった細やかな制御能力が向上した。

実際の運転では、高速道路での加速時にもハンドルからの微妙な揺れがなく、直進で安心してペダルを踏み続けられる。カーブでもハンドルを大きく切ることなくスムーズに曲がることができた。

大型ディスプレーと日本車ならではの竹素材

運転席周りも改良されている。センターディスプレーは大型の12.3インチとなり、見る角度の工夫と運転者の視界を妨げない高さに配置され、走行中でも操作しやすくなった。内装のパネル材料には竹繊維を用い、パネル表面にデザインのような陰影をつくりだし、レクサスが持つ力強い躍動感とスポーティーさを表現。竹は木材よりも成長が早く、二酸化炭素を効率よく吸収し、プラスチックと同等の強度を持ちながら土に返るエコ素材として注目されている。レクサスによると、市販車としては初の採用で、今後他の車種にも採用を拡大していくという。

最新の安全装備と総評

先進安全装備「レクサス セーフティー システム+」も最新バージョンとなり、プリクラッシュセーフティーの対象範囲に夜間の自転車と昼間のオートバイが追加されたほか、交差点での出会い頭の車両も認識可能になった。

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このクルマを運転していると、クルマを操作するという感覚がいかに魅力的かということを改めて認識させられる。運転を楽しみたい方に薦めるクルマである。

主要諸元(試乗車:IS300h version L)

  • 全長・全幅・全高(mm):4720・1840・1435
  • 総排気量(L):2.493
  • 燃費(WLTCモード、km/L):17.6
  • 価格:610万円(オプション除く)