中国の電気自動車(EV)市場で、日本メーカーの存在感が急速に低下している。2024年の販売データによると、トヨタの中国でのEV販売台数は前年比17%減、日産は26%減と大きく落ち込んだ。一方、中国国内のEV大手BYDは46%増と急成長を遂げており、市場の主導権を握りつつある。
日本勢の苦戦、背景に何が
日本メーカーの苦戦の背景には、EVシフトの遅れと中国市場の急速な変化がある。中国では政府の補助金政策や充電インフラの整備が進み、EV需要が急拡大。これに対し、日本メーカーはハイブリッド車(HV)に強みを持つが、EVのラインアップ拡充や価格競争で後れを取っている。
特にBYDは、低価格帯から高級車まで幅広いモデルを投入し、中国市場で圧倒的なシェアを獲得。2024年には世界販売台数でテスラを抜き、EV世界一に躍り出た。日本メーカーは中国市場での巻き返しを図るが、BYDの勢いは止まらない。
日本メーカーの戦略転換なるか
トヨタは中国市場向けにEV専用ブランド「bZ」シリーズを投入し、2026年までに10モデルを投入する計画を発表。日産も中国でEVシフトを加速し、2026年までに4モデルを投入する方針だ。しかし、中国市場の競争は激しく、日本メーカーがシェアを回復できるかは不透明だ。
また、日本メーカーの中国市場での販売低迷は、EVだけでなく内燃機関車でも顕著だ。2024年の中国全体の新車販売は微増だったが、日本メーカーのシェアは過去最低を記録。中国市場の主役は、BYDをはじめとする中国メーカーに移りつつある。
日本勢の強みを生かせるか
日本メーカーは品質や燃費性能で高い評価を得てきたが、EV分野では中国メーカーに先行されている。特に、バッテリー技術やソフトウェア面での差が課題だ。日本メーカーが中国市場で再び存在感を示すには、EVの開発スピードを加速し、中国市場に合った戦略を打ち出す必要がある。
専門家は「日本メーカーはHVで培った技術をEVに応用できるが、中国市場では価格競争が激しく、コスト削減が不可欠」と指摘する。BYDの攻勢に対抗するためには、日本メーカー同士の連携や、中国企業との提携も視野に入れるべきだろう。
中国EV市場の勢力図は今後さらに変化するとみられる。日本メーカーが巻き返しを図るのか、それとも中国メーカーが独走を続けるのか。市場の行方が注目される。



