中国の電気自動車(EV)市場が急速に拡大する中、日本車メーカーが苦戦を強いられている。2024年上半期の中国新車販売台数で、日本勢の合計シェアは初めて10%を下回り、9.8%にとどまった。このうちトヨタ自動車は前年同期比15%減の約78万台、日産自動車は同20%減の約34万台、ホンダは同18%減の約42万台と、主要3社すべてが大幅な減少を記録した。
現地EVメーカーの台頭が日本車を直撃
中国市場では、比亜迪(BYD)や上海汽車集団(SAIC)などの現地メーカーがEV販売を急拡大させている。特にBYDは2024年上半期にEVとプラグインハイブリッド車(PHV)を合わせて約160万台を販売し、前年比28%増を達成。一方、日本車メーカーはEV投入が遅れ、ガソリン車やハイブリッド車(HV)への依存度が高い。中国汽車工業協会のデータによると、2024年1-6月の新車販売に占めるEVとPHVの比率は35%に達したが、日本車メーカーの販売に占める比率は10%未満と低迷している。
価格競争の激化と日本車の劣勢
中国市場では、BYDが2023年以降、主力EV「ATTO 3」や「シール」の値下げを実施し、価格競争が激化。これに対し、日本車メーカーは値下げに踏み切るも、コスト競争力で劣る。トヨタは2024年5月、中国向けEV「bZ3」の価格を約10%引き下げたが、BYDの同等車種より依然として高い。また、日産は中国でEV「アリア」を販売するが、2024年上半期の販売台数は約3,000台と低迷。ホンダもEV「e:N1」を投入したが、月販500台以下と苦戦している。
日本車メーカーの巻き返し策
各社は中国市場での巻き返しに向け、EV戦略を強化する。トヨタは2026年までに中国で10車種以上のEVを投入する計画で、現地開発を加速。日産は2024年後半に中国向け新型EV「エクストレイルEV」を発売予定。ホンダは2027年までに中国市場でEV販売比率を50%に引き上げる目標を掲げる。しかし、アナリストは「日本車メーカーが中国市場でシェアを回復するには、価格面と技術面で現地メーカーに追いつく必要がある」と指摘する。
今後の見通し
中国市場では、政府のEV普及政策や充電インフラ整備により、EV需要はさらに拡大すると予想される。2024年通年の新車販売に占めるEVとPHVの比率は40%を超える見込みだ。日本車メーカーがこの流れに乗り遅れれば、中国市場での存在感がさらに低下する恐れがある。一方、日本車メーカーは東南アジアやインドなど他の新興市場でHVを軸に販売を伸ばしており、中国市場の不振を補う戦略も模索している。



