中国市場における電気自動車(EV)シフトの加速が、日本車メーカーとその部品サプライヤーに深刻な影響を与えている。2023年の中国新車販売に占めるEVの割合は約25%に達し、2025年には35%を超える見通しだ。一方、日本メーカーの中国市場シェアは2020年の約23%から2023年には約17%に低下。特にEV分野では、中国のBYDや新興メーカーの台頭が著しい。
日本車メーカーの苦戦と戦略転換
トヨタは中国でのEV販売が2023年に約10万台と、同社の中国販売全体のわずか3%にとどまった。ホンダや日産も同様で、EV販売比率は5%未満だ。これに対し、中国メーカーは2023年に約600万台のEVを販売し、市場の80%以上を占める。日本車メーカーは、2025年までに中国でのEV販売比率を20%に引き上げる目標を掲げるが、価格競争や充電インフラの整備格差など課題は多い。
部品サプライヤーへの波及効果
部品業界にも変化が及んでいる。デンソーは2024年までに中国のEV向け部品生産能力を2022年比で50%増強する計画だ。同社の担当者は「エンジン部品の需要減少を見越し、EV向けモーターやインバーターの生産を拡大している」と語る。また、アイシンもEV向けトランスミッションの生産を中国で開始し、2025年までに年間30万台分の供給能力を目指す。
サプライチェーンの再編加速
日本政府も対応に乗り出した。経済産業省は2023年12月、中国依存の高いレアアースやバッテリー材料の調達先多様化を支援する方針を発表。補助金総額は約1000億円に上る。さらに、トヨタは2024年1月、中国でのEV生産を増強するため、現地部品メーカーとの提携を強化すると表明した。同社の中国法人社長は「中国市場の変化に迅速に対応するため、サプライチェーンを抜本的に見直す」とコメントしている。
今後の展望と課題
専門家は、日本車メーカーが中国市場でEVシフトに乗り遅れると、世界市場での競争力低下につながると警告する。一方、中国市場に依存する部品メーカーは、生産拠点の多角化やEV部品へのシフトを迫られている。日本自動車工業会の調査では、2025年までに日本の部品メーカーの中国生産比率は現在の約25%から20%に低下する見通しだ。自動車産業の構造変化は、日本経済全体に波及する可能性がある。



