中国市場における電気自動車(EV)シフトが加速する中、日本車メーカーの苦戦が続いている。2024年上半期の新車販売台数で、日本車の市場シェアは初めて10%を下回り、9.8%にとどまった。これは、中国の現地メーカーがEVを中心に攻勢を強めていることが主因だ。
日本車シェア、初の一桁台に
中国汽車工業協会のデータによると、2024年1~6月の新車販売総数は約1200万台。このうち日本車メーカー(トヨタ、ホンダ、日産など)の販売台数は約118万台で、シェアは9.8%だった。前年同期の11.2%からさらに低下し、2019年の17.5%から半減に近い水準となっている。
一方、中国メーカーのシェアは56.8%に拡大。特にEVやプラグインハイブリッド車(PHV)を含む新エネルギー車(NEV)の販売が好調で、2024年上半期のNEV販売台数は前年同期比32%増の約490万台に達した。中国市場におけるNEVの普及率は40%を超え、世界最大のEV市場としての地位を確立している。
日本車メーカーの対応遅れ
日本車メーカーはこれまで、ハイブリッド車(HV)で優位に立ってきたが、EVシフトへの対応が遅れている。トヨタは2024年に中国でEV「bZ4X」を発売したが、販売は低迷。ホンダも中国専用EV「e:Nシリーズ」を投入したが、販売台数は目標を下回っている。日産は「Ariya」を投入するも、中国メーカーの低価格EVに押されている。
中国の自動車アナリスト、李強氏は「日本車は品質や燃費で評価されてきたが、EV時代にはソフトウェアや自動運転技術が重視される。中国メーカーはこれらの分野で先行しており、日本車の巻き返しは容易ではない」と指摘する。
中国メーカーの台頭と値下げ競争
中国メーカーはBYDを筆頭に、EVのラインナップを拡充。BYDは2024年上半期に約160万台のNEVを販売し、世界最大のEVメーカーとなった。さらに、同社は「秦」や「海豚」などの低価格モデルを投入し、価格競争を激化させている。これに対し、日本車メーカーは値下げを余儀なくされ、収益が圧迫されている。
また、中国政府はEV購入補助金を2023年末で終了したが、NEVの購入税免除を2025年末まで延長するなど、EV普及を後押ししている。この政策も中国メーカーに有利に働いている。
今後の展望と日本メーカーの戦略
日本車メーカーは中国市場での巻き返しを図るため、EV投資を加速している。トヨタは2026年までに中国で10モデルのEVを投入する計画。ホンダは2030年までに中国市場でEVと燃料電池車(FCV)の販売比率を100%にする目標を掲げる。日産は2026年までに中国で7モデルのEVを投入する方針だ。
しかし、中国メーカーの技術力向上とブランド力強化により、日本車メーカーの苦戦は当面続くとみられる。特に、自動運転技術やコネクテッドカー機能で中国メーカーが先行しており、日本車メーカーは協業や提携を通じて競争力を高める必要がある。
中国市場のEVシフトは世界の自動車産業に大きな影響を与えており、日本車メーカーの対応が注目される。



