ホンダと日産自動車が2024年12月23日、経営統合に向けた基本合意書を締結し、協議を開始すると正式発表した。両社は今後、共同持株会社を設立し、2026年8月までに上場廃止となる見通し。統合が実現すれば、販売台数で世界3位の自動車グループが誕生する。
統合の背景:EVシフトと中国市場の激変
自動車業界では、電気自動車(EV)シフトが急速に進み、従来のガソリン車中心のビジネスモデルが転換を迫られている。特に中国市場では、比亜迪(BYD)などの新興EVメーカーが台頭し、日本メーカーのシェアが急落。ホンダと日産は、2024年度上半期の中国販売台数が前年同期比でそれぞれ約3割減、約1割減と苦戦している。
また、米国市場でもEV需要の伸び悩みやインフレによるコスト増が経営を圧迫。日産は2024年度上半期の営業利益が前年同期比で85%減少し、ホンダも二輪事業で稼ぐ一方、四輪事業の収益性が悪化している。
統合のメリット:規模の経済と投資負担軽減
両社の統合により、開発・生産・調達の効率化が期待される。特にEVや自動運転技術の開発には巨額の投資が必要であり、統合によって年間数十億ドルのコスト削減が見込まれる。また、部品の共通化や生産拠点の最適化により、競争力向上を目指す。
ホンダの三部敏宏社長は「両社の強みを活かし、新たな価値を創造する。統合により、電動化や知能化の分野で世界トップレベルの競争力を確保したい」と述べている。
課題:文化の違いと雇用への影響
一方で、統合には多くの課題も存在する。ホンダと日産は企業文化が異なり、過去にも提携交渉が頓挫した経緯がある。また、統合に伴う工場閉鎖や人員削減の可能性が懸念されており、雇用への影響は避けられない。
日産はすでに2024年11月、全世界で9000人の人員削減と生産能力の20%削減を発表。統合後もさらなるリストラが行われる可能性が高い。さらに、日産の筆頭株主である仏ルノーとの関係も複雑で、ルノーの同意を得られるかが焦点となる。
業界再編の波:三菱自動車も統合対象に
今回の統合協議には、日産が筆頭株主である三菱自動車も参加する可能性がある。三菱自は2024年11月、東南アジア市場での協業強化を発表しており、3社連合で規模を拡大する戦略だ。
業界アナリストは「自動車業界は100年に一度の変革期。生き残るためには規模の拡大が不可欠」と指摘。ホンダ・日産統合は、業界再編の象徴的な出来事として注目される。



