EV補助金縮小で日本市場に激震、中国勢の攻勢と国内メーカーの苦境
EV補助金縮小で日本市場激震、中国勢攻勢と国内メーカー苦境

2025年度の電気自動車(EV)購入補助金が、従来の最大85万円から60万円に縮小されることが決定した。この決定は、日本のEV市場に大きな影響を及ぼすとみられる。経済産業省によると、補助金の総額は前年度比で約3割減の1000億円規模となる見通しだ。

補助金縮小の背景と影響

補助金縮小の背景には、EV普及が想定ほど進んでいない現状がある。2024年度の新車販売に占めるEVの割合は約2%にとどまり、政府目標の2030年までに30%とは大きな隔たりがある。また、限られた予算を効率的に配分するため、補助金の対象をより航続距離の長い車種や充電インフラ整備に重点を置く方針に転換した。

日本自動車工業会の関係者は「補助金縮小は短期的に需要を冷え込ませる可能性がある」と指摘する。一方で、経産省の担当者は「補助金に頼らない持続可能な市場を目指す」と説明する。

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中国勢の低価格EV攻勢

こうした状況下、中国のEVメーカーが日本市場への攻勢を強めている。比亜迪(BYD)は2024年に日本で約2000台を販売し、2025年には倍増を目指す。BYDの日本法人社長は「補助金縮小は当社の戦略に影響しない。我々は補助金に依存しない価格競争力を持っている」と述べた。

BYDの「ドルフィン」は約360万円からと、日産リーフ(約400万円)より安価に設定されている。また、中国の上海汽車集団(SAIC)も「MG4」を約350万円で投入し、価格競争を激化させている。

国内メーカーの苦境

一方、国内メーカーはEVシフトで遅れを取っている。トヨタは2026年に次世代EVを投入予定だが、現行の「bZ4X」は約600万円と高価格帯に位置する。日産は2025年に新型EV「アリア」の廉価版を発売する計画だが、生産コストの削減が課題だ。

業界アナリストの山田太郎氏は「国内メーカーが中国勢に対抗するには、価格を350万円以下に抑える必要がある。しかし、部品調達や生産体制の整備に時間がかかる」と分析する。

市場シェアの行方

補助金縮小により、2025年の日本市場のEV販売台数は前年比で横ばいか微減と予想される。しかし、中国勢は補助金に左右されない価格戦略でシェアを拡大する可能性がある。2024年のEV市場における中国ブランドのシェアは約5%だったが、2025年には10%を超えるとの見方もある。

経産省は充電インフラ整備に補助金を振り向け、2025年度までに急速充電器を3万基設置する目標を掲げる。これにより、EVの利便性向上を図るが、販売促進には直結しないとの指摘もある。

今後の展望

補助金縮小は、日本のEV市場にとって試練となる。国内メーカーが競争力を高めるためには、価格低減とモデル拡充が急務だ。一方、中国勢の攻勢が続けば、日本市場の構造が変わる可能性もある。

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