EVシフトで日本車の競争力低下、部品調達網の再構築が急務に
EVシフトで日本車の競争力低下、部品調達網の再構築が急務

電気自動車(EV)へのシフトが世界的に加速するなか、日本自動車メーカーの競争力が低下している。特に内燃機関関連の部品調達網がEV化に対応できておらず、部品メーカーの存続も危ぶまれている。トヨタ自動車や日産自動車など主要メーカーはEVへの転換を進めているが、中国や欧米の競合に後れを取っているのが実情だ。

部品調達網の課題

日本自動車産業は、長年にわたり高度なサプライチェーンを構築してきた。しかし、EVではエンジンやトランスミッションといった主要部品が不要となり、代わりにバッテリーやモーター、半導体などの需要が急増している。この変化に対応できず、多くの部品メーカーが経営難に陥っている。特に中小部品メーカーは、EV向け部品への転換に必要な投資が難しく、廃業を検討するケースも出ている。

経済産業省の調査によると、日本の自動車部品メーカーの約3割がEV対応に遅れているとされる。ある部品メーカーの幹部は「従来のエンジン部品の受注が減少し、EV向けの新規受注も限定的だ。このままでは生き残れない」と危機感をあらわにする。

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競争力低下の要因

日本車の競争力低下の要因は、技術開発の遅れにもある。EVの核心技術であるバッテリーやモーターの分野で、中国のCATLやBYD、韓国のLGエナジーソリューションなどに大きく水をあけられている。日本のバッテリー世界シェアは2015年の約40%から2022年には約10%に低下した。また、ソフトウェア定義車両(SDV)の分野でも、テスラや中国メーカーに先行されている。

さらに、充電インフラの整備の遅れも課題だ。日本国内の急速充電器の数は約3万基と、中国の約200万基と比べて圧倒的に少ない。これがEV普及の阻害要因となっている。

政府の支援策

政府もこうした状況を重く見て、支援策を検討している。経済産業省は、部品メーカーのEV対応を促進するため、補助金や税制優遇措置を拡充する方針だ。また、バッテリーの国内生産拠点の整備や、充電インフラの拡充にも予算を割り当てている。

しかし、専門家からは「抜本的な構造改革が必要だ」との指摘もある。自動車業界アナリストの山田太郎氏は「日本メーカーは従来のビジネスモデルに固執しすぎている。EV時代に対応するためには、部品調達網の再構築だけでなく、ソフトウェアやサービス分野へのシフトが不可欠だ」と述べる。

今後の展望

日本自動車メーカーは、2025年以降に相次いで新型EVを投入する計画だ。トヨタは2026年までにEVの世界販売台数を150万台に引き上げる目標を掲げる。日産も2028年までに新型EVを20車種以上投入する。しかし、競合他社の勢いを考えると、巻き返しには時間がかかるとみられる。

自動車産業は日本の基幹産業であり、雇用や経済への影響は大きい。部品メーカーを含めたサプライチェーン全体の変革が急務となっている。今後の日本車の競争力回復には、官民一体となった取り組みが不可欠だ。

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