EVシフト加速で変わるサプライチェーン、日本企業の競争力低下懸念
EVシフトで変わるサプライチェーン、日本企業に危機感

電気自動車(EV)への移行が加速する中、自動車産業のサプライチェーンはかつてない変革期を迎えている。従来のエンジン車に比べ、EVの部品点数は約3分の1に減少するとされ、これまで日本の自動車メーカーを支えてきた部品サプライヤーは大きな岐路に立たされている。

部品点数の減少と新たなサプライチェーンの構築

EVの駆動系はモーター、バッテリー、インバーターなどで構成され、エンジンやトランスミッションなど数百点の部品が不要となる。このため、従来の部品メーカーは新たな収益源を模索せざるを得ない。一方で、バッテリーや半導体など新たな領域では、異業種からの参入が相次いでいる。

例えば、パナソニックはテスラ向けにバッテリーを供給し、日本企業として存在感を示す。しかし、バッテリー市場では中国のCATLや韓国のLGエナジーソリューションが世界シェアを拡大しており、日本勢の競争力は相対的に低下している。

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日本企業の競争力低下と戦略転換の必要性

日本経済新聞の調査によると、2022年の世界のEV販売台数は前年比65%増の約1000万台に達した。この急拡大に日本メーカーの対応は遅れている。トヨタは2026年までにEV投入を加速する計画だが、中国市場ではすでにBYDなど地元メーカーがシェアを拡大している。

「日本企業は内燃機関で培った技術に固執しすぎた。今こそEVシフトに真剣に取り組むべきだ」と、自動車アナリストの山田氏は指摘する。サプライヤーも同様で、デンソーはEV向け製品の開発を強化するが、収益構造の転換には時間がかかる。

サプライチェーンの地政学的リスクと資源確保

EVに不可欠なリチウムやコバルトなどの資源は特定地域に偏在する。日本は資源の多くを輸入に依存しており、サプライチェーンの脆弱性が課題だ。経済産業省は、資源確保のためカナダやオーストラリアとの連携を強化している。

また、半導体の安定調達も重要だ。EVには従来車の2倍以上の半導体が使用される。日本政府は国内半導体製造の強化を掲げ、ラピダスの設立を支援するが、量産化はまだ先の見通しだ。

自動車産業の雇用への影響

EVシフトは雇用にも影響を与える。部品点数減少により、エンジン関連の雇用が減少する一方、バッテリーやソフトウェア分野で新たな雇用が生まれる。日本政府は2030年までにEV関連で約10万人の雇用創出を見込むが、労働者の再教育が急務だ。

「ガソリン車からEVへの移行は、産業構造そのものを変える。日本がこの変革に乗り遅れれば、自動車産業の競争力は大きく低下するだろう」と、産業政策に詳しい専門家は警鐘を鳴らす。

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