EVシフトで部品点数が3分の1に
電気自動車(EV)の普及が加速する中、自動車産業の構造が大きく変わろうとしている。従来のエンジン車に比べ、EVの部品点数は約3分の1に減少すると言われており、部品メーカーにとっては厳しい競争が予想される。例えば、エンジンやトランスミッション、燃料タンクなどが不要になる一方で、モーターやバッテリー、インバーターなどの新たな部品が必要となる。
サプライチェーンの再編が加速
この変化に対応するため、部品メーカーは生き残りをかけた戦略を打ち出している。ある大手部品メーカーの幹部は「EVシフトは脅威であると同時に、新たなビジネスチャンスでもある」と述べ、既存技術の転用や新技術の開発に注力していることを明らかにした。具体的には、エンジン部品で培った精密加工技術をモーター部品に応用するなど、コア技術を活かした多角化が進んでいる。
部品メーカーの生き残り戦略
一方で、EV化による部品点数の減少は、部品メーカーの淘汰を招く可能性がある。特に、エンジンや排気系などEVでは不要となる部品を主力とする企業は、早急な事業転換が求められる。業界アナリストは「2020年代後半には、現在の部品メーカーの半数が生き残れないかもしれない」と警鐘を鳴らす。こうした中、部品メーカー各社はM&Aや提携を通じて規模を拡大し、競争力を高める動きも活発化している。
新たな需要と技術革新
EVシフトは、バッテリーやモーター、パワーエレクトロニクスなど新たな部品の需要を生み出している。特に、バッテリーはEVの価格の約3割を占める重要部品であり、各社が開発競争を繰り広げている。また、EVの軽量化や航続距離延長のための材料技術も注目されており、炭素繊維やアルミニウム合金などの需要が高まっている。
地域経済への影響も
自動車産業は多くの部品メーカーを抱える地域経済の基幹産業であり、EVシフトによる影響は雇用面でも大きい。ある地方自治体の担当者は「部品メーカーの事業転換を支援するため、補助金や税制優遇などの施策を検討している」と語り、官民一体となった取り組みの必要性を強調した。自動車産業の100年に一度の変革期において、部品メーカーの生き残りをかけた戦略が今後も注目される。



