EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場の現実
EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場 (01.07.2026)

東南アジアの電気自動車(EV)市場で、中国メーカーが圧倒的な存在感を示している。2024年の同地域におけるEV販売台数は前年比で約2倍に増加し、そのうち中国ブランドが75%以上のシェアを占めた。特にタイ市場では、比亜迪(BYD)がトップセラーとなり、日本メーカーは苦戦を強いられている。

EV普及を牽引するタイとインドネシア

タイは東南アジア最大の自動車生産国であり、EV普及でも先頭を走る。2024年のタイ国内のEV販売台数は約8万台に達し、前年から倍増。政府の購入補助金や輸入関税の引き下げが需要を後押しした。インドネシアもニッケル資源を活用したEVバッテリー生産に注力し、2024年のEV販売は前年比50%増の約3万台となった。

中国メーカーの攻勢は日本車メーカーにとって深刻な脅威だ。トヨタやホンダはハイブリッド車で強みを持つが、EVシフトの遅れが市場シェア低下につながっている。タイ自動車工業会のデータによると、2024年の乗用車市場で日本メーカーのシェアは70%を切ったのに対し、中国メーカーは20%以上に急伸した。

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中国勢の戦略:低価格と現地生産

中国メーカーの強みは低価格帯のEV投入にある。BYDの「ATTO 3」はタイで約100万バーツ(約400万円)と、日本車のEVより2割安い。さらに、中国メーカーはタイやインドネシアに工場を建設し、現地生産を加速。BYDはタイに年産15万台の工場を稼働させ、長城汽車(GWM)も同国で生産を開始した。

これに対し、日本メーカーはEV専用プラットフォームの開発が遅れ、価格競争力で劣る。トヨタは2025年までにタイでEV生産を開始する計画だが、中国勢の先行を許している。

日本メーカーの巻き返しは可能か

日本メーカーもEV戦略を強化しつつある。日産自動車はタイでEV「リーフ」の生産を拡大し、三菱自動車もインドネシアでEV生産を検討中だ。しかし、中国メーカーの攻勢は一段と激しさを増しており、日本勢がシェアを回復するには、価格競争力の向上と充電インフラの整備が不可欠とされる。

東南アジアのEV市場は2025年以降も拡大が見込まれ、国際エネルギー機関(IEA)の予測では、2030年までに同地域の新車販売に占めるEVの割合が30%を超えるという。日本メーカーにとって、この成長市場での生き残りをかけた戦いが続く。

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