EVシフト加速、中国メーカーが席巻する東南アジア市場の現実
EVシフト加速、中国メーカーが席巻する東南アジア市場 (24.06.2026)

東南アジアの電気自動車(EV)市場で、中国メーカーの存在感が急速に高まっている。2023年の新車販売に占めるEVの割合は約2%とまだ小さいが、その成長率は世界でもトップクラスだ。特にタイでは、2023年のEV販売台数が前年比で約3倍に増加し、市場全体の約10%を占めるまでになった。

中国メーカーが市場を席巻

東南アジアEV市場の70%以上を中国メーカーが占めている。タイでは、中国のBYDがEV販売台数で首位に立ち、2023年には約3万台を販売した。2位は同じく中国のNeta、3位は中国のGreat Wall Motor(GWM)が続く。日本メーカーは、日産がリーフで辛うじて10位に入る程度で、トヨタやホンダは上位20位にもランクインしていない。

「中国メーカーの攻勢は予想以上に速い。特にBYDの低価格戦略は、東南アジアの消費者に強くアピールしている」と、バンコク在住の自動車アナリスト、スラチャイ・クンポン氏は指摘する。

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タイ政府のEV推進政策

タイ政府は2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げ、補助金や減税などの優遇策を打ち出している。これに呼応して、中国メーカーはタイ国内での生産拠点を拡大。BYDは2024年にタイ工場を稼働させ、年間15万台の生産能力を持つ。また、GWMやNetaもタイでの現地生産を計画している。

一方、日本メーカーはEVへの移行が遅れている。トヨタはハイブリッド車(HV)に注力してきたが、タイ政府がEV優遇策を強化する中で、HVの優遇措置は縮小されつつある。ホンダも2024年にEVの現地生産を開始する予定だが、中国勢に比べて出遅れている。

インドネシアとマレーシアの動き

東南アジア最大の自動車市場であるインドネシアでも、中国メーカーの進出が顕著だ。2023年のEV販売台数は約2万台とまだ少ないが、政府はEVバッテリーの生産拠点化を推進。ニッケル資源を活用し、2030年までにEV販売比率を25%に引き上げる目標を掲げる。中国のCATLや韓国のLGエナジーソリューションがバッテリー工場を建設中だ。

マレーシアでは、地場系のProtonが中国の吉利(Geely)と提携し、2024年にEVを発売予定。また、中国のXpengも市場参入を検討している。

日本メーカーの課題と生き残り戦略

日本メーカーが東南アジアでEV市場を取り戻すには、価格競争力の向上と現地生産の加速が不可欠だ。トヨタは2024年からタイでEVの生産を開始し、2025年には現地生産のEVを発売する計画。日産もリーフの後継モデルを投入する方針だが、中国勢の低価格攻勢に対抗できるかは不透明だ。

「日本メーカーがEVで巻き返すには、単なる車両販売ではなく、充電インフラやバッテリーリサイクルを含めたエコシステム全体で勝負する必要がある」と、自動車業界コンサルタントのタナポン・スワンナラット氏は語る。

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