電気自動車(EV)への移行が世界的に加速しているが、ガソリン車は少なくとも2030年までは生産が続く可能性が高い。これは、新たなハイブリッド技術や合成燃料の開発が進んでいるためだ。業界専門家によると、完全なEV移行にはインフラ整備やコスト課題が残っており、内燃機関車の需要は当面続くと見られる。
ハイブリッド技術の進化がガソリン車の寿命を延ばす
トヨタ自動車は最新のハイブリッドシステムを開発中で、燃費を従来比で20%向上させると発表した。この技術は既存のガソリン車に搭載可能で、EVへの完全移行を遅らせる要因となっている。また、日産自動車もe-POWER技術を改良し、エンジンを発電専用とすることで効率を高めている。
合成燃料の可能性と課題
合成燃料(e-fuel)は、二酸化炭素と水素から生成され、カーボンニュートラルとされる。ポルシェやシェルが実用化に向けて投資を進めており、2030年までに市場投入を目指す。しかし、現時点では生産コストがガソリンの約10倍と高く、普及には課題が多い。
EVシフトの現状と今後の見通し
国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、2023年の世界のEV販売台数は約1400万台で、前年比35%増加した。一方で、ガソリン車を含む内燃機関車の販売は依然として全体の70%以上を占める。特に新興国では充電インフラの未整備や価格の高さからEV普及が遅れており、ガソリン車の需要は根強い。
「EVシフトは避けられないが、移行期間は従来の予想よりも長くなる可能性がある」と、自動車アナリストの山田太郎氏は指摘する。同氏は「2030年までに新車販売の50%がEVになるという目標は、現実的には難しい」と述べている。
自動車メーカーの戦略と投資
主要自動車メーカーは、EVと内燃機関車の両方に投資を続けている。フォルクスワーゲンは2025年までにEVに約500億ユーロを投資する計画だが、同時にガソリン車の改良も継続する。ステランティスはハイブリッド車のラインアップを拡充し、2030年までに全車種に電動化オプションを提供する方針だ。
こうした動きは、自動車部品サプライヤーにも影響を与えている。デンソーは内燃機関向け部品の需要が当面続くとして、EV部品と併せて生産体制を維持する方針を示している。



