EVシフト加速も充電インフラ不足が課題に、政府が補助金拡充へ
EVシフト加速も充電インフラ不足が課題

電気自動車(EV)の普及が世界的に加速する中、日本では充電インフラの整備不足が深刻な課題となっている。政府は2025年度から、EV充電器の設置に対する補助金を大幅に拡充する方針を固めた。関係者によると、現在の補助金制度では急速充電器1基あたり最大300万円だったが、新制度では最大500万円に引き上げられる見通しだ。

充電器の設置数は目標の3割にとどまる

経済産業省の調査によると、2024年3月時点での国内の急速充電器の設置数は約2万基。政府が掲げる2030年までに6万基という目標に対して、達成率はわずか33%にとどまっている。特に地方部での不足が顕著で、都市部と比較して設置密度は5分の1以下だ。

「充電インフラが不十分なため、EV購入をためらう消費者は少なくない」と、日本自動車工業会の担当者は指摘する。同工業会のアンケートでは、EV購入を検討する際の最大の障壁として「充電の不便さ」を挙げた回答が62%に上った。

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政府、補助金拡充で地方格差解消狙う

政府は新たな補助金制度で、特に過疎地や高速道路のサービスエリアへの設置を重点的に支援する。2025年度予算案には、関連費用として前年度比1.5倍の約800億円が計上される見込みだ。また、集合住宅への充電器設置に対する補助も拡充し、管理組合の負担軽減を図る。

「EV普及には、誰もが気軽に充電できる環境が不可欠だ」と、経済産業省の担当官は述べている。政府は2026年までに、高速道路の全サービスエリアに急速充電器を設置する計画を掲げており、今回の補助金拡充はその実現に向けた布石とみられる。

民間企業も続々と参入

こうした政府の動きを受け、民間企業の間でも充電インフラ事業への参入が相次いでいる。エネルギーベンチャーのA社は、2025年中に全国で500基の急速充電器を新設すると発表。また、大手コンビニエンスストアのB社は、全国の店舗駐車場に順次充電器を設置する方針だ。

一方で、課題は残る。充電器の維持管理コストや、設置場所の確保などだ。特に都市部では、限られたスペースへの設置が難航している。業界団体は「行政と民間が連携し、規制緩和や税制優遇など総合的な対策が必要」と訴えている。

EV市場拡大へ、官民一体の取り組みが鍵

日本政府は2035年までに、新車販売のすべてを電動車(EV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)とする目標を掲げる。しかし、充電インフラが追いつかなければ、消費者のEVシフトは進まない。今回の補助金拡充は、官民挙げてのインフラ整備の第一歩と言える。

国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、2023年の世界のEV販売台数は前年比35%増の約1400万台。日本国内のEV販売シェアは約2%と、欧州(約20%)や中国(約25%)に大きく水をあけられている。充電インフラの整備が、日本がEV後進国から脱却するカギを握る。

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