EV販売鈍化でガソリン車継続販売の動き加速、トヨタは新エンジン開発へ
EV販売鈍化でガソリン車継続の動き加速、トヨタ新エンジン開発へ

世界的な電気自動車(EV)販売の減速を受けて、自動車メーカーの間でガソリン車の継続販売を模索する動きが加速している。トヨタ自動車は2024年5月、新型エンジンの開発を発表し、電動化一辺倒だった戦略からの転換を鮮明にした。

EV販売の失速とガソリン車回帰の兆し

国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、2023年の世界のEV販売台数は前年比35%増の約1400万台に達したが、2024年に入って伸び率は鈍化している。特に欧州市場では、補助金削減や充電インフラ不足を背景に、EV需要が予想を下回る状況が続いている。この流れを受け、フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツなど欧州大手も、ガソリン車の販売期間延長を検討し始めている。

トヨタの戦略転換:新エンジン開発の狙い

トヨタ自動車は5月28日、東京で開いた技術説明会で、水素や合成燃料(e-fuel)など多様な燃料に対応可能な新型エンジンシリーズの開発計画を公表した。同社の佐藤恒治社長は「カーボンニュートラル実現には、EVだけでなく、エンジンを含む多様な選択肢が必要だ」と述べ、ガソリン車の継続的な進化を強調した。新エンジンは2026年以降、順次搭載車種に採用される見込みで、燃費効率を従来比で最大30%向上させるという。

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業界全体に広がる電動化戦略の見直し

トヨタの動きは業界全体の流れを象徴している。米国では、ゼネラルモーターズ(GM)が2035年までの全車種EV化目標を撤回し、プラグインハイブリッド車(PHEV)の投入を拡大。フォードもEV投資計画を縮小し、ガソリン車の生産継続を発表した。日本でも、ホンダが2024年4月に日産自動車とのEV協業を発表した一方で、ハイブリッド車(HV)の開発を強化する方針を示している。

サプライチェーンへの影響と雇用維持

ガソリン車の継続販売は、部品サプライヤーや雇用にも大きな影響を与える。日本自動車部品工業会の調査によると、EV移行が急速に進めば、2030年までに国内部品メーカーの約30%が事業縮小を迫られる可能性があるという。トヨタの新エンジン開発は、こうしたサプライチェーン全体の雇用維持にも寄与すると期待されている。

環境規制との兼ね合い

しかし、ガソリン車の継続は欧州連合(EU)の2035年エンジン車販売禁止目標など、各国の環境規制との調整が課題となる。トヨタは合成燃料や水素エンジンの実用化を進めることで、規制対応を図る方針だ。業界専門家は「2030年以降も、HVやPHEVを含む多様なパワートレインが共存する市場になる」と分析している。

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