欧州における電気自動車(EV)の販売が急激に減速している。2024年上半期の新車販売に占めるEVの割合は前年同期の15%から12%に低下し、主要メーカーは相次いでEV戦略の見直しを余儀なくされている。
販売減速の背景
原因の一つは、各国政府によるEV購入補助金の削減だ。ドイツでは2023年末に補助金が打ち切られ、フランスやスウェーデンでも補助金が縮小された。これにより、消費者がEV購入に慎重になっている。また、充電インフラの整備が追いついていないことも需要を抑制している。
フォルクスワーゲン(VW)は、2024年のEV販売目標を下方修正し、2030年までに販売の50%をEVとする目標を撤回した。同社の広報担当者は「市場の現実を直視し、顧客のニーズに合わせた戦略が必要だ」と述べている。
メーカーの対応
メルセデス・ベンツは、2030年までに主要市場でEVのみを販売する計画を延期し、内燃機関車の開発を継続する方針に転換した。BMWも、EVと内燃機関車の両方を提供する「フレキシブル戦略」を強化する。
一方、テスラやBYDなどの新興メーカーは依然として成長を続けており、欧州メーカーとの明暗が分かれている。アナリストは「欧州メーカーは技術力やブランド力で優位に立つが、価格競争やサプライチェーン構築で遅れを取っている」と指摘する。
今後の展望
欧州連合(EU)は2035年までに内燃機関車の新車販売を禁止する方針を維持しているが、業界からは延期を求める声が上がっている。欧州自動車工業会(ACEA)は「インフラ整備や補助金の継続がなければ、目標達成は困難だ」と警告する。
EV販売の減速は、自動車メーカーのみならず、バッテリーサプライヤーや充電インフラ企業にも影響を及ぼしている。業界全体で戦略の再構築が求められている。



