EV電池リサイクル市場、2030年に5兆円規模へ急拡大の見通し
EV電池リサイクル市場、30年に5兆円規模へ急拡大

電気自動車(EV)用バッテリーのリサイクル市場が、2030年までに現在の約10倍にあたる5兆円規模に急拡大する見通しであることが、調査会社の富士経済の最新レポートで明らかになった。EVの普及加速に伴い、使用済みバッテリーの処理需要が急増すると見込まれている。

市場拡大の背景と要因

同レポートによると、2023年の世界のEVバッテリーリサイクル市場は約5000億円だったが、2030年には5兆円を超えると予測される。この急成長は、EV販売台数の増加に加え、各国政府がバッテリーのリサイクル義務化や資源循環を推進していることが背景にある。特に欧州連合(EU)は2025年から新たなバッテリー規則を導入し、リサイクル率の目標を設定している。

また、リチウムやコバルトなどの希少金属の価格高騰も、リサイクル事業の収益性を高める要因となっている。富士経済のアナリストは「資源の安定確保と環境負荷低減の両面から、バッテリーリサイクルの重要性が増している」と指摘する。

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主要企業の参入と技術革新

市場拡大を受け、国内外の企業がリサイクル事業に積極的に参入している。日本では、住友金属鉱山やトヨタ自動車がリサイクル技術の開発を進めており、2024年には実証プラントの稼働を開始する予定だ。米国ではレッドウッド・マテリアルズ社が、テスラとの協業で大規模リサイクル工場を建設中。中国の寧徳時代(CATL)も、自社バッテリーのリサイクル事業を強化している。

技術面では、従来の乾式製錬法に加え、湿式製錬法や直接リサイクル法の実用化が進んでいる。直接リサイクル法は、バッテリー材料を化学的に分解せずに再利用する手法で、エネルギー消費を大幅に削減できるとされる。

課題と今後の展望

一方で、課題も多い。使用済みバッテリーの回収率が低いことや、リサイクルコストが新規採掘と比べて割高であることが指摘されている。また、バッテリーの種類や化学組成が多様化しており、効率的なリサイクルプロセスの確立が求められる。

富士経済は「政府の規制強化と技術革新により、コスト競争力が向上し、市場はさらに拡大する」と見込む。特に、2030年以降にEVの廃棄が本格化すると、リサイクル需要はさらに高まると予測される。

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