中国EVメーカー、欧州関税で生産移転加速 比亚迪ハンガリー工場稼働
中国EVメーカー、欧州関税で生産移転加速

中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)は、ハンガリー南部のセゲドに新工場を建設し、2025年から欧州向けEVの現地生産を開始する。これは、欧州連合(EU)が中国製EVに課す追加関税(最大45%)を回避する戦略の一環だ。BYDは欧州市場での販売台数拡大を目指しており、現地生産によりコスト競争力を高める。

EUの追加関税が生産移転を促進

EUは2024年10月、中国製EVに対する追加関税を正式に決定した。既存の10%の関税に加え、最大35%の追加関税が課される。これにより、中国から輸出されるEVの価格競争力は大幅に低下する。BYDはこの関税を回避するため、欧州域内での生産を加速している。同社はハンガリー工場で年間20万台の生産を計画しており、2027年までに欧州市場でのシェアを5%に引き上げる目標を掲げる。

中国EVメーカーの欧州進出拡大

BYDだけでなく、他の中国EVメーカーも欧州生産を検討している。上海汽車集団(SAIC)は、欧州での生産拠点設立を模索しており、吉利汽車も欧州での生産能力拡大を計画している。中国メーカーは、EUの関税障壁を乗り越えるため、現地生産を強化する方針だ。また、中国製EVバッテリーの関税も引き上げられており、バッテリーの現地調達も課題となっている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

ハンガリーが中国企業の拠点に

ハンガリーは、中国企業の欧州生産拠点として注目されている。同国は低い法人税率(9%)や政府の補助金制度を提供しており、BYDの工場建設にも補助金を拠出する。また、ハンガリーはドイツやオーストリアなど主要市場に近く、物流面でも優位性がある。BYDはハンガリー工場で、同社の主力モデル「ATTO 3」や「ドルフィン」などを生産する予定だ。

欧州自動車メーカーへの影響

中国EVメーカーの欧州生産は、欧州自動車メーカーにとって競争激化を意味する。フォルクスワーゲンやステランティスなどは、中国市場での販売が減少しており、欧州でも中国EVとの競争が激しくなると予想される。一方で、中国メーカーの現地生産は、欧州の雇用創出やサプライチェーン強化につながる可能性もある。BYDはハンガリー工場で約1万人の雇用を創出する見込みだ。

EUの関税政策は、中国EVメーカーの戦略を根本から変えつつある。BYDのハンガリー工場はその象徴的な事例であり、今後の中国メーカーの動向が注目される。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ