中国の電気自動車(EV)大手BYD(比亜迪)が、日本市場への本格参入を加速させている。同社は2025年までに日本国内で販売店舗を100店舗に拡大する計画を明らかにした。現在、BYDは日本で約20店舗を展開しており、今後2年間で5倍に増やす方針だ。
低価格戦略で攻勢
BYDの日本法人であるBYD Japanの東福寺厚社長は、「日本のEV市場はまだ黎明期だが、環境意識の高まりとともに需要は確実に拡大する。当社は高性能でありながら手頃な価格のEVを提供し、日本市場での存在感を高めたい」と述べている。BYDの主力モデル「ATTO 3」は、価格を440万円(税込)に設定。補助金を活用すれば実質400万円を切る価格帯となり、日本の競合車種と比較しても割安感がある。
日本市場の現状と課題
日本自動車工業会のデータによると、2023年の日本におけるEV販売台数は約8万8000台で、新車販売全体に占める割合は約2%にとどまる。これは、欧州連合(EU)の約15%、中国の約20%と比べて著しく低い水準だ。日本ではハイブリッド車(HV)の人気が根強く、充電インフラの整備も遅れていることがEV普及の障壁となっている。
中国勢の攻勢と日本メーカーの対応
BYDだけでなく、中国の新興EVメーカーである蔚来汽車(NIO)や小鵬汽車(XPeng)も日本市場への参入を検討していると報じられている。これに対し、トヨタ自動車や日産自動車など日本の自動車メーカーは、EVのラインナップ拡充や全固体電池の開発を加速させている。トヨタは2026年までに10車種のEVを投入する計画で、日産は2028年度までにEVの販売比率を40%以上に引き上げる目標を掲げる。
政府の支援策
日本政府もEV普及に向けた施策を打ち出している。経済産業省は、2024年度からEV購入補助金を拡充し、最大85万円の補助を実施。また、充電インフラ整備のために2025年度までに500億円の予算を計上している。
BYDの日本市場への本格参入は、日本の自動車業界に新たな競争をもたらすと同時に、EV普及の起爆剤となる可能性がある。今後の展開が注目される。



