中国の電気自動車(EV)大手BYD(比亜迪)が、日本市場で10年以内に販売台数を現在の10倍以上に引き上げる計画を明らかにした。2023年の日本での販売台数は約2000台だが、2033年までに2万台超を目指す。
日本市場への本格参入と販売目標
BYDは2023年に日本市場に本格参入し、現在は「ATTO 3」「ドルフィン」「シール」の3モデルを販売している。2024年には新型車「シーライオン」の投入も予定しており、ラインアップを拡充する。BYD Japanの担当者は「日本市場はEV普及が遅れているが、今後急速に拡大すると見込んでいる。当社は競争力のある価格と先進技術でシェアを獲得したい」と述べている。
2023年の日本のEV販売台数は約8万8000台で、新車販売全体の約2%にとどまる。しかし、政府は2035年までに新車販売の100%を電動車とする目標を掲げており、市場は拡大が見込まれる。BYDは日本市場で2030年までに販売台数を1万台、2033年までに2万台超に引き上げる計画だ。
価格競争力と課題
BYDの強みは価格競争力にある。ATTO 3の価格は440万円から、ドルフィンは363万円からと、競合する日産「リーフ」(約400万円)やテスラ「モデル3」(約530万円)より安い。さらに、BYDは独自の電池技術「ブレードバッテリー」を搭載し、安全性と航続距離を両立している。
しかし、日本市場では充電インフラの整備やアフターサービス体制が課題となる。BYDは2025年までに全国に100店舗の展開を計画しており、販売網の拡充を急ぐ。また、急速充電器の設置も進めている。
競合他社の動向
日本市場では、テスラが2023年に約6000台を販売し、輸入EVでは首位。日産や三菱自動車、マツダなど国内メーカーもEV投入を加速している。BYDが目標を達成するには、ブランド認知度の向上と信頼性の確保が不可欠だ。
BYDは世界市場でも急成長しており、2023年の世界販売台数は約302万台で、前年比62%増。うちEVは約157万台で、テスラ(約181万台)に次ぐ世界2位。日本市場での成功は、同社のグローバル戦略の重要なテストケースとなる。



