日本のEV市場に中国勢が急拡大
日本の電気自動車(EV)市場で、中国メーカーの存在感が急速に高まっている。2024年の国内EV販売台数(軽EVを含む)は前年比で約1.5倍の8万9000台となり、そのうち中国メーカーのシェアは前年の約5%から約10%に倍増した。特に、比亜迪(BYD)や上海汽車(SAIC)などが主力モデルを投入し、販売を伸ばしている。
背景:価格競争とモデル拡充
中国勢の躍進の背景には、政府の補助金や充電インフラ整備に加え、日本市場向けに低価格帯のモデルを投入したことがある。BYDの「ATTO 3」は税込み約440万円からと、日産「リーフ」より約50万円安い価格設定が話題を呼んだ。また、SAICの「MG4」も400万円を切る価格で、2024年の輸入EV販売台数でトップに立った。
日本自動車輸入組合(JAIA)によると、2024年の輸入EV販売台数は前年比約1.8倍の2万4000台。このうち中国ブランドが占める割合は約35%に達し、前年の約20%から大きく上昇した。JAIAの担当者は「中国メーカーの攻勢は予想以上に速い。日本メーカーも対抗策を急ぐ必要がある」と指摘する。
日本メーカーの反応と課題
日本メーカーは、EVシフトで出遅れているとの指摘がある。トヨタ自動車は2026年までに10車種のEVを投入する計画だが、現時点では「bZ4X」など限られたモデルしかない。日産は「リーフ」の後継モデルを2025年に投入予定だが、価格競争で中国勢に対抗できるかが焦点だ。
一方で、日本メーカーはハイブリッド車(HV)で強みを持つ。2024年のHV販売台数は約150万台と、EVの約17倍。しかし、世界市場ではEVシフトが加速しており、日本メーカーはHVの収益でEV開発を賄う戦略を取る。専門家は「日本メーカーがEVで巻き返すには、2025年以降のモデル投入が鍵を握る」と分析する。
今後の展望:市場拡大と競争激化
日本のEV市場は今後も成長が見込まれる。経済産業省は2030年までに新車販売の30%をEVとする目標を掲げている。充電インフラの整備も進み、2025年までに急速充電器を3万基設置する計画だ。
中国勢はさらに攻勢を強める見通しで、BYDは日本国内での販売店を2025年末までに100店舗に増やす計画を発表。また、中国の新興EVメーカーである小鵬汽車(XPeng)や蔚来汽車(NIO)も日本市場への参入を検討している。日本市場は、中国メーカーと日本メーカーの激しい競争の場となりそうだ。



