中国における新エネルギー車(NEV)の保有台数が2500万台を突破したことが、中国公安部の最新データで明らかになった。この数字は、中国が世界最大の電気自動車(EV)市場としての地位を不動のものにしていることを示している。
保有台数の内訳と成長率
公安部の発表によると、2024年6月末時点で、中国のNEV保有台数は約2500万台に達した。このうち、純電気自動車(BEV)が約1800万台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が約700万台を占める。2023年末と比較して、NEV全体で約20%の増加となり、特にPHEVの伸びが顕著だった。
新車登録に占めるNEVの割合も急上昇しており、2024年上半期には新車登録の約40%がNEVとなった。これは前年同期の約30%から大幅に増加しており、中国政府が掲げる2035年までの新車販売の100%NEV化目標に向けて順調なペースで進んでいる。
政府の政策とインフラ整備
中国のNEV市場拡大の背景には、政府の強力な支援策がある。購入補助金や税制優遇措置に加え、北京や上海などの大都市ではガソリン車のナンバープレート取得が厳しく制限される一方、NEVには優先的にナンバープレートが発給される制度が普及を後押ししている。
充電インフラの整備も急速に進んでいる。中国国家能源局によると、2024年6月時点で公共用の充電スタンドは約300万基に達し、2023年末から約30%増加した。高速道路のサービスエリアにはほぼ全てに急速充電器が設置され、長距離移動の不安も軽減されつつある。
主要メーカーの動向
国内メーカーでは、比亜迪(BYD)がNEV販売で首位を走り、2024年上半期の販売台数は約160万台に達した。続いて、上海汽車集団(SAIC)や吉利汽車(Geely)などがシェアを拡大している。一方、テスラは上海工場での生産を拡大し、中国市場での販売を強化している。
中国汽車工業協会のアナリストは「中国のNEV市場は今後も年率20%以上の成長が見込まれ、2025年には保有台数が3500万台を超える可能性がある」と指摘する。また、「競争激化により、価格競争が進み、消費者にとってはより手頃な価格でEVを購入できる環境が整いつつある」と述べている。
環境面への影響と課題
NEVの普及は、大気汚染の改善や二酸化炭素排出削減に貢献している。中国政府は、NEVの導入により2024年には約5000万トンのCO2削減効果を見込んでいる。しかし、電力供給源の約60%を石炭火力発電に依存している現状では、EVの環境負荷低減効果は限定的との批判もある。
また、バッテリーのリサイクル問題も課題として浮上している。中国政府は2024年から使用済みバッテリーの回収率を90%以上に引き上げる目標を掲げ、リサイクル技術の開発を推進している。



