世界の自動車産業は今、100年に一度の変革期を迎えている。電気自動車(EV)へのシフトが加速する中、中国市場で日本メーカーの存在感が急速に薄れている。2023年の中国EV販売台数は前年比36%増の約950万台に達し、新車販売に占めるEVの割合は31.6%に上昇した。一方、日本メーカーの市場シェアは1%未満に低下し、かつての勢いは完全に失われている。
中国EV市場の急成長と日本メーカーの苦戦
中国市場では、BYDやNIOなどの地元メーカーがEV販売を牽引している。特にBYDは2023年に約300万台を販売し、世界のEV販売台数でトップに立った。これに対し、トヨタやホンダ、日産などの日本メーカーはEVへの移行が遅れ、中国市場での販売が低迷している。トヨタの2023年中国販売台数は190万台と前年比1.7%減、ホンダは123万台と10.1%減、日産は79万台と16.1%減となった。
日本メーカーの苦戦の背景には、EVの価格競争やソフトウェア面での遅れがある。中国のEVメーカーはバッテリーコストの削減や、自動運転・コネクテッド技術の統合で優位に立っている。また、中国政府のEV購入補助金や充電インフラ整備も地元メーカーを後押しした。
日本メーカーの戦略転換と今後の展望
日本メーカーも事態を重く見て、戦略の見直しを迫られている。トヨタは2026年までにEVの販売台数を150万台に引き上げる目標を掲げ、新たなEV専用工場の建設を計画している。ホンダは2027年までに中国市場でEV販売比率を100%にする目標を発表。日産も2026年までに中国でEV7モデルを投入する方針だ。
しかし、中国市場でのシェア回復は容易ではない。日本自動車工業会のデータによると、2023年の中国新車販売シェアは日本メーカーがわずか0.8%だった。価格競争や技術面での差を埋めるには、大規模な投資と時間が必要だ。また、地政学的リスクや中国市場の急激な変化への対応も課題となっている。
専門家は「日本メーカーが生き残るには、EVだけでなく、水素燃料電池車やハイブリッド車など複数の技術を組み合わせた戦略が重要だ」と指摘する。また、中国市場に依存しすぎず、東南アジアやインドなど新興市場でのシェア拡大も急務となる。



