中国EV市場の減速とバッテリー価格競争
中国の電気自動車(EV)販売が鈍化する中、世界最大のバッテリーメーカーであるCATL(寧徳時代新能源科技)と、EV大手のBYD(比亜迪)がバッテリー価格の引き下げに踏み切った。両社は2024年初頭から、主要顧客向けにバッテリーセルの価格を1キロワット時あたり0.4元(約8円)前後引き下げたとされる。この動きは、中国国内のEV需要が予想を下回り、在庫が積み上がっていることが背景にある。
CATLとBYDの戦略的値下げ
CATLは、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーの価格を1キロワット時あたり0.6元(約12円)に設定したと報じられている。一方、BYDも自社のバッテリーブランド「ブレードバッテリー」の価格を同水準に引き下げた。業界関係者によると、両社は市場シェアを維持するために積極的な価格戦略を展開しており、特にCATLは2023年に約37%の世界シェアを握るが、BYDの台頭により競争が激化している。
業界全体への影響
この値下げは、バッテリーメーカー全体に波及し、パナソニックやLGエナジーソリューションなど日本や韓国のメーカーにも価格引き下げ圧力がかかるとみられる。また、EVメーカーにとってはバッテリーコストの低下が車両価格の引き下げにつながる可能性があるが、一方で収益性の悪化を招くリスクもある。中国汽車工業協会のデータによれば、2024年1月の中国EV販売台数は前年同月比で約8%増にとどまり、2023年の急成長から減速している。
今後の展望
アナリストは、バッテリー価格の下落が続けば、EVの普及が加速する一方で、メーカーの淘汰が進むと予測する。特に、原材料であるリチウムやコバルトの価格が安定していることが、値下げを可能にしている。ただし、過度な価格競争は品質低下を招く懸念もあり、業界全体の持続可能性が問われている。



