中国の電気自動車(EV)大手BYD(比亜迪)は、2027年までに欧州で第3の工場を建設する計画を明らかにした。同社の欧州事業責任者が明かしたもので、欧州市場でのプレゼンス強化を目指す。
欧州での生産能力拡大
BYDは現在、ハンガリーに第1工場を建設中で、2025年末には稼働開始を見込む。また、トルコにも第2工場を計画しており、こちらも2026年までに生産を開始する予定だ。第3工場の場所はまだ決まっていないが、複数の候地を検討中とされる。
同社の欧州事業責任者は「欧州はBYDにとって重要な市場であり、現地生産を拡大することで顧客への納車を迅速化し、コスト競争力を高めたい」と述べている。
EUの関税引き上げに対応
欧州連合(EU)は中国製EVに対する関税を最大45%に引き上げる方針を示しており、BYDはこれに対応するため現地生産を急いでいる。EU域内で生産すれば関税を回避できるため、各社が生産拠点の設置を進めている。
BYDは2023年に欧州で約1万5000台を販売し、2024年にはさらに販売を拡大する見通し。同社は欧州での販売網も強化しており、2025年までに販売店を500店舗に増やす計画だ。
中国EVメーカーの欧州進出加速
BYDだけでなく、他の中国EVメーカーも欧州進出を加速させている。上海汽車集団(SAIC)や吉利汽車なども欧州での生産を検討しており、中国勢の欧州シェアは2023年の約8%から2027年には20%に達する可能性があるとの試算もある。
一方、欧州の自動車メーカーは中国勢の進出に警戒感を強めており、EUが関税引き上げを検討する背景には、域内産業の保護目的がある。BYDの欧州工場建設は、こうした貿易摩擦を回避する狙いもあるとみられる。
BYDはすでに欧州でATTO 3やHAN、SEALなどのEVモデルを販売しており、現地生産によりさらに競争力を高める方針だ。



