中国の電気自動車(EV)最大手である比亜迪(BYD)は、2025年の世界販売目標を550万台に設定した。これは2023年の販売実績302万台から約82%増となる水準であり、同社の海外市場への攻勢を鮮明にしている。
販売目標の内訳と戦略
BYDの王伝福(Wang Chuanfu)会長は、2024年の世界販売台数が約425万台となる見通しを示した上で、2025年には550万台を目指すと述べた。内訳としては、中国国内で約400万台、海外で約150万台を計画している。特に海外販売は2023年の約24万台から大幅な増加を見込んでおり、同社の成長エンジンとして位置づけられている。
BYDは現在、東南アジア、欧州、南米などで生産拠点の設立を進めている。タイでは2024年7月に新工場が稼働を開始し、年間15万台の生産能力を持つ。また、ハンガリーやブラジルでも工場建設を進めており、現地生産によるコスト削減と市場浸透を図る。
競争激化と価格戦略
中国EV市場では、BYDに加えて上海汽車(SAIC)や吉利汽車(Geely)、新興勢力のNIOやXPengなどが激しい競争を繰り広げている。中国政府の補助金縮小や需要減速により、価格競争が加速しており、BYDは「秦」や「宋」などの低価格モデルを投入してシェア拡大を狙う。
一方、海外市場では欧州連合(EU)が中国製EVに対する追加関税の導入を検討しており、BYDにとっては逆風となる可能性がある。しかし、同社は現地生産を強化することで関税リスクを軽減し、競争力を維持する方針だ。
技術開発と今後の展望
BYDは独自開発のブレードバッテリーやDM-i(スーパーハイブリッド)技術で知られ、2024年には新型EV「海獅(Seal)」を投入するなど、製品ラインナップを拡充している。また、自動運転技術やスマートコックピットの開発にも注力しており、2025年までに高度運転支援システムの搭載率を50%以上に引き上げる目標を掲げている。
同社の海外販売網は現在70カ国以上に拡大しており、2025年には100カ国以上での販売を目指す。王会長は「BYDは世界のEV普及をリードする。持続可能なモビリティの実現に向け、技術革新とグローバル展開を加速する」と語っている。



