EVシフト加速、中国電池大手CATLが世界シェア拡大へ
EVシフト加速、CATLが世界シェア拡大へ

中国の電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)が電気自動車(EV)用電池市場でさらなるシェア拡大を狙っている。同社は2025年までに世界市場で50%超のシェアを獲得する目標を掲げ、最新技術の開発と大規模生産体制の強化を進めている。

CATLの戦略と成長の背景

CATLは現在、世界のEV用電池市場で約35%のシェアを占め、首位を走る。同社は独自のリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池技術でコスト競争力を高め、航続距離の長いニッケル・マンガン・コバルト(NMC)電池も開発。2023年の生産能力は約300GWhで、2025年には600GWh以上に引き上げる計画だ。

この背景には、世界のEV需要の急拡大がある。国際エネルギー機関(IEA)によると、2023年の世界のEV販売台数は前年比35%増の約1400万台に達し、2030年には7000万台を超えると予測される。CATLはこの需要を取り込むため、ドイツやハンガリーに工場を建設し、欧州での生産能力を拡大中だ。

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自動車メーカーとの提携強化

CATLはトヨタ自動車やフォルクスワーゲン、BMW、テスラなどと供給契約を結んでいる。2023年にはトヨタとの提携を拡大し、次世代EV向けの電池を共同開発することで合意。フォルクスワーゲンとは2024年から欧州工場で電池を供給する計画だ。

また、CATLは「ナトリウムイオン電池」の量産にも乗り出した。これはリチウムを使わず、資源が豊富なナトリウムを利用する技術で、コストをさらに削減できる可能性がある。同社は2023年にナトリウムイオン電池の量産を開始し、2024年にはEV向けにも供給を始める予定だ。

競争環境と課題

一方、韓国のLGエナジーソリューションやサムスンSDI、パナソニックなどもシェア拡大を狙っており、競争は激化している。特にLGは北米市場でテスラやGMとの契約を強化し、2025年までに生産能力を200GWh以上に引き上げる計画だ。

CATLにとっての課題は、地政学的リスクと原材料の安定調達だ。中国企業への依存を懸念する米国や欧州の政策により、補助金の対象外となる可能性もある。CATLはこうしたリスクを回避するため、海外工場の建設を加速し、現地調達率を高める方針を示している。

業界への影響と今後の展望

CATLのシェア拡大は、EVの価格低下と普及促進につながる可能性がある。同社の低コスト電池は、エントリーモデルのEVに搭載され、新興国市場での需要を喚起すると期待される。一方で、特定企業への依存度が高まることは、サプライチェーンの脆弱性を生むリスクも指摘されている。

アナリストの間では、CATLが2025年までに目標とする50%超のシェア達成は可能との見方が多い。ただし、各国の保護主義的な政策や技術革新のスピード次第では、予想外の展開もあり得るとしている。CATLの動向は、世界のEV市場全体の行方を左右する重要な要素となりそうだ。

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