中国EV大手BYD、2025年型「シール」でレーダー廃止し価格競争激化
BYD「シール」2025年型でレーダー廃止、価格競争激化

中国の電気自動車(EV)最大手である比亜迪(BYD)は、2025年型となる新型「シール(SEAL)」において、従来搭載していたミリ波レーダーを廃止する方針を固めた。この決定は、同社が自動運転技術のコスト削減と市場競争力の強化を図る中で行われた。レーダーの代わりに、カメラと超音波センサーを中心とした「God's Eye」システムを採用することで、車両価格の引き下げを実現する。

コスト削減で価格競争に拍車

BYDは2025年型シールの販売価格を、従来モデルよりも約10%引き下げる計画だ。具体的には、中国市場での基本価格が17万9800元(約370万円)から16万6800元(約340万円)に値下げされる。この価格設定は、同じくEV市場で激しい競争を繰り広げるテスラの「モデル3」や、中国の新興メーカーである小鵬汽車(Xpeng)の「P7」などに対抗するための戦略とみられる。

BYDの広報担当者は、「当社は常に技術革新を通じて、より手頃な価格で高品質なEVを提供することを目指している。新型シールでは、コスト効率の高いセンサー構成を採用することで、その目標を達成した」と述べている。

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自動運転技術の方向性転換

ミリ波レーダーの廃止は、BYDの自動運転技術における方向性の転換を示している。これまで多くの自動車メーカーは、ミリ波レーダーを自動運転システムの重要な構成要素として位置づけてきた。しかし、BYDはカメラと超音波センサーを組み合わせたシステムでも、高速道路での自動運転や駐車支援など、十分な性能を発揮できると判断した。

業界アナリストの陳氏は、「BYDの決定は、EV市場におけるコスト競争の激しさを如実に表している。レーダーを廃止することで部品点数を減らし、製造コストを抑えることができる。一方で、この判断が長期的な自動運転技術の進化にどのような影響を与えるかは、注視する必要がある」と指摘する。

日本市場への影響は

BYDは2023年から日本市場に本格参入しており、シールも日本で販売されている。日本仕様のシールに今回の変更が適用されるかは現時点で不明だが、価格競争力が強化されれば、日本のEV市場にも影響を与える可能性がある。日本の自動車メーカー各社は、すでにBYDの低価格戦略に警戒感を強めており、今回の動きがさらなる価格競争を招くことも予想される。

日本の自動車業界関係者は、「BYDが日本で価格を引き下げれば、国内メーカーも対抗せざるを得なくなる。特に、日産やトヨタなどが販売するEVとの競争が激化するだろう」と語る。

今後の展開

BYDは、2025年までに完全自動運転技術を実用化する目標を掲げている。今回のセンサー構成の見直しは、その目標達成に向けた一歩とも言える。同社は、カメラと超音波センサーを中心としたシステムに加え、将来的には高度なAI処理を活用することで、レーダーなしでも高い自動運転性能を実現する計画だ。

一方、他の自動車メーカーは、レーダーやLiDAR(光検出と測距)などの高価なセンサーを搭載した自動運転システムの開発を進めており、技術路線の違いが今後の市場競争を左右する可能性がある。

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