EVシフト加速で変わる自動車産業 部品サプライヤー再編の波
EVシフト加速で変わる自動車産業 部品サプライヤー再編

電気自動車(EV)へのシフトが世界的に加速する中、自動車業界では部品サプライヤーの再編が避けられない状況となっている。従来のエンジンやトランスミッションなどの内燃機関部品の需要が減少する一方で、バッテリーやモーター、インバーターなどの電動化部品への需要が急増している。この変化に対応できないサプライヤーは淘汰される可能性が高い。

エンジン部品需要の減少と電動化部品の台頭

自動車業界では、EVの普及に伴い、エンジン関連部品の需要が2025年をピークに減少に転じると予測されている。一方、電動化部品の市場は2030年には現在の3倍以上に拡大する見込みだ。このため、多くの部品メーカーは事業構造の転換を迫られている。

例えば、デンソーはエンジン関連部品から電動化部品へのシフトを加速しており、2025年までに電動化部品の売上比率を50%以上に引き上げる計画を発表している。また、アイシンもトランスミッション事業の縮小とともに、EV用駆動ユニットの開発に注力している。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

サプライヤー再編の波

こうした環境変化を受け、部品サプライヤーの間では再編の動きが活発化している。2023年には、日立Astemoと本田技研工業の合弁会社である日立Astemoが、EV用モーター事業を強化するために新工場を建設することを発表。また、マグナ・インターナショナルは、ドイツの部品メーカーであるZFフリードリヒスハーフェンとの協業を拡大し、EV用トランスミッションの開発を進めている。

「サプライヤーは、従来のビジネスモデルから脱却し、電動化に対応した新たな技術を開発しなければならない。さもなければ、市場から取り残されるだろう」と、自動車業界アナリストの山田太郎氏は指摘する。

地域別の動向

地域別に見ると、欧州では厳しい環境規制を背景にEVシフトが最も進んでおり、部品サプライヤーの再編も先行している。ボッシュやコンチネンタルは電動化部品への投資を積極的に行っており、内燃機関部品事業の売却も検討している。一方、日本ではEVシフトがやや遅れているものの、部品メーカーは海外市場向けに電動化部品の開発を強化している。

中国市場では、政府のEV推進政策により、地場部品メーカーが急成長している。CATLやBYDなどのバッテリーメーカーは世界市場で大きなシェアを獲得しており、日本の部品メーカーは競争力を維持するために、技術開発とコスト削減が求められている。

サプライヤーに求められる戦略

部品サプライヤーが生き残るためには、以下の3つの戦略が重要とされる。第一に、電動化部品への集中的な投資。第二に、ソフトウェアや電子制御技術の強化。第三に、他社との協業やM&Aによるスケールメリットの追求である。

「従来の部品サプライヤーは、ハードウェアの製造に強みを持っていたが、今後はソフトウェア技術も不可欠になる。自動運転やコネクテッド技術との融合が鍵を握る」と、業界関係者は語る。

今後の展望

EVシフトは自動車産業のサプライチェーン全体を変革しつつある。部品点数が内燃機関車に比べて少ないEVでは、部品メーカー間の競争が激化し、業界再編がさらに進むと予想される。特に、中小部品メーカーは大手との協業や事業転換を迫られるだろう。

一方で、新たなビジネスチャンスも生まれている。充電インフラやバッテリーリサイクル、車載ソフトウェアなどの分野では、新規参入も相次いでいる。自動車産業は100年に一度の変革期を迎えており、部品サプライヤーは生き残りをかけた決断が求められている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ