Malwarebytesは2026年10月8日(米国時間)、Amazonが顧客の購買情報などを基に生成する個人プロフィール「About You」が、利用者の身体的特徴まで推測する事例を紹介した。ある利用者は、自身のプロフィールに「お尻が平ら」という記述が含まれているのを発見したという。
購入したレギンスから「お尻が平ら」と推測
問題を報じたDexertoによると、この利用者は過去に「ヒップを強調するレギンス」を購入したことがあり、その関連を指摘しつつも、身体的特徴を直接的に表現されたことに驚いたという。推測自体は間違っていなかったものの、購入履歴から身体的特徴を推定されることへの懸念が浮かび上がった。
これまでのところ、記述を生成する具体的な仕組みは特定されていない。しかし、今回の事例から、衣類の購入情報を基に本人の身体的特徴まで推測している可能性が示唆されている。
「About You」の概要と仕組み
「About You」は5月に導入された新機能で、Amazonのパーソナライズ機能を利用者向けに可視化し、管理しやすくすることを目的としている。プロフィールの生成には、購入履歴、Alexaとの対話、検索履歴、リストに保存した商品、投稿した商品レビューなどが使用されるという。
プロフィールは「家庭と家族」「関心事と趣味」「ブランド」「商品に関する好み」などのカテゴリーに分けられ、利用者の嗜好や生活に関する情報が表示される。これらの情報は本人向けの宣伝に使用されており、定期的に特定商品を購入する顧客には同種の別製品を提案するといった使われ方をしている。
プライバシー上の課題と対応策
購入や検索の履歴が、必ずしも本人の生活や身体的特徴を正確に表すわけではない。購入した商品が贈り物である可能性もあれば、リストの登録が他人のための調査を意味する場合もある。商品を検索しただけで、本人が必要としていると判断することもできない。買い物の行動と個人の実像は、必ずしも一致しない。
Amazonは以前から個人向けの推薦機能を提供してきたが、「About You」では推薦の背景にあるプロフィール情報の一部を利用者が確認し、実態と異なる推測を訂正できるようにしている。
Malwarebytesも「About You」の確認方法および登録情報の削除方法を解説している。Amazonの公式発表では、スマートフォンのアプリやWebサイトからアクセスできると案内しているが、これらは米国向けの操作手順であり、日本のAmazon.co.jpでの利用可否は確認できていない。
一括拒否は可能か
利用者が自分に関するプロフィールを確認し、不要な項目を削除できることは、情報管理の透明性を高める前向きな仕組みと言える。一方、利用者が意図して入力していないプロフィールを、本人が個別に修正し続けなければならない点には課題が残る。
Amazonは、パーソナライズに使用されたくない情報を削除できると説明している。しかし、削除によって同社のサーバーから情報が消去されるのか、表示対象から外れるだけなのかは、発表内容からは判断できない。また、利用者が買い物を続ける中で、同様の推測が再び作成される可能性についても説明されていない。
「About You」による情報利用を一括で拒否する設定についても、同社の発表では案内されていない。現時点では、利用者がプロフィールを確認し、Amazonによる推測の一部を削除することが対応策となる。購入履歴を基にした「おすすめ」の利便性と、本人が意図しない個人情報の生成をどう扱うかが引き続き問われている。