EV充電器設置補助、自治体向けに拡充へ 経産省方針
EV充電器設置補助、自治体向け拡充へ

経済産業省は2025年度から、電気自動車(EV)充電器の設置費用に対する補助制度を拡充し、自治体が行う公共施設や集合住宅への設置を支援する方針を固めた。政府は2030年までに全国で30万口の充電インフラ整備を目標に掲げており、今回の措置で達成を加速させる狙いがある。

補助率を最大3分の2に引き上げ

現行の補助制度は主に民間事業者向けで、自治体が直接設置する場合の補助率は低かった。経産省は新たに、自治体が設置する充電器の補助率を従来の2分の1から最大3分の2に引き上げる。さらに、集合住宅の共用部に設置する場合も補助対象とし、マンションなどでの充電環境整備を後押しする。

経産省の担当者は「自治体が主体となって充電インフラを整備することで、地域全体のEV普及を促進したい」と述べている。補助額は1口あたり最大150万円(工事費込み)を想定。2025年度予算案に関連費用として約200億円を計上する方向で調整している。

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2030年目標達成へ課題

政府は2021年に策定した「グリーン成長戦略」で、2030年までにEV充電器を30万口設置する目標を掲げたが、2023年度末時点の設置数は約4万口にとどまっている。特に集合住宅や公共施設での設置が遅れており、今回の補助拡充で加速を図る。

充電インフラの整備は、EV普及の鍵を握る。日本自動車工業会の調査によると、EV購入を検討する消費者の約7割が「充電の不安」を理由に挙げている。経産省は、自治体による計画的な設置を促すため、補助金の申請手続きを簡素化し、複数年度にわたる計画にも対応する方針だ。

自治体の負担軽減と民間投資喚起

補助拡充により、自治体の財政負担は軽減される見込みだ。総務省の試算では、補助率を3分の2に引き上げることで、自治体の自己負担額は平均で約3割減となる。経産省は、自治体が率先して設置することで、民間事業者の投資意欲も喚起されると期待する。

一方で、充電器の維持管理費や電気代の負担が自治体に残る課題もある。経産省は、電力会社と連携した低料金プランの提供や、広告収入を活用した運営モデルなど、持続可能な仕組みづくりを検討している。

充電インフラ整備は、EV普及だけでなく、災害時の非常用電源としての活用も期待される。経産省は、自治体が防災計画に充電器を位置づける場合、補助率をさらに優遇する案も検討中だ。

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