Microsoftは2025年6月30日(現地時間)、Windows 10向け拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の個人ユーザー向け提供期間を2027年10月12日まで延長すると発表した。この措置は、Windows 11への移行が同社の想定ほど進んでいない現実を浮き彫りにしていると、米メディアWindows Centralが報じた。
ESU延長の詳細
Windows 10の通常サポートは2025年10月に終了したが、MicrosoftはESUに登録したユーザー向けにセキュリティアップデートを提供してきた。ESUは法人向けに最長3年、個人向けには1年の有償プログラムだが、個人ユーザーは一定条件を満たせば無償で加入できる特例措置がある。今回、個人向けESUの提供期間が2027年10月12日まで延長され、ユーザーは追加料金なしでさらに1年間の延長サポートを受けられる。Microsoftのサポートページには「2027年10月12日にプログラムが終了するまで、いつでもESUに登録できます。すでに登録している場合は、その日まで自動的に補償が継続されます」と記載されている。
Windows 11普及の停滞
Windows Centralは、この延長措置は単なるサポート期間の変更ではなく、Windows 11の普及が当初の想定を下回っていることを示す出来事だと指摘。同誌の読者アンケートでは、回答者の約68%がサポート延長後もWindows 10を使い続けたいと回答し、Windows 11へ移行済みの回答は約19%にとどまった。読者層に偏りの可能性はあるものの、ユーザーが新OSへの移行に慎重であることを示している。
移行を阻む要因
移行が進まない主な要因として、Windows 11の厳しいハードウェア要件が挙げられる。TPM 2.0や対応CPUなどの条件を満たさないPCはWindows 11にアップグレードできず、ユーザーは新しいPCの購入を迫られる。これには費用負担に加え、環境への影響も懸念され、既存PCを限界まで使い続ける選択につながっている。また、Windows 11の設計方針やAI機能統合の方向性に否定的な意見も多く、不要なAI機能のために厳しいハードウェア要件を課すことは無駄な投資と感じるユーザーもいる。結果として、Windows 10継続だけでなく、Linuxへの移行を検討する動きも広がっているとWindows Centralは説明している。
今後の展望
ESUの延長はユーザーに移行期間の猶予を与える一方、Windows 11だけでは幅広い需要を取り込めていない現状を浮き彫りにした。MicrosoftはWindows 11の普及促進に向けて、ハードウェア要件の緩和やユーザーニーズに合った機能提供が求められる可能性がある。



