クレカ乗車でVポイントが貯まる「乗車ポイント」10月7日開始、首都圏4社で
クレカ乗車でVポイント貯まる乗車ポイント、10月7日開始

Vポイントマーケティング、三井住友カード、ビザ・ワールドワイド・ジャパンなどは、クレジットカードなどで公共交通機関に乗車できる「stera transit」を利用した「クレカ乗車」において、Vポイントが貯まる「乗車ポイント」を10月7日から開始する。

首都圏4社で開始、200円ごとに1ポイント

当初は首都圏の鉄道事業者4社でサービスを開始し、運賃での支払い200円ごとに1ポイントが貯まる。あらかじめクレジットカードの登録が必要だが、それ以降は、普段通りクレジットカードのタッチで乗車すれば、自動的にポイントが貯まる形。通常のポイントにプラスして貯まる点がメリットだ。

三井住友カードでは、ポイントによって得られた購買データなどを元にマーケティングなどの分析を行い、交通利用を増やすとともに鉄道沿線や町の回遊・活性化に繋げていきたい考えだ。

対象事業者と利用方法

対象となる鉄道事業者は、京王電鉄、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)、ゆりかもめ、江ノ島電鉄の4社で、各社の全路線全駅が対象となる。

利用するには、まずstera transitの利用履歴などを確認するQ-moveにアクセスしてV会員番号とアカウントを連携させ、クレジットカードを登録する。この登録したクレジットカードで乗車することで、交通機関の支払い200円ごとに1ポイントが乗車ポイントとして貯まる。

乗車ポイントの対象となるクレジットカードは、カード発行会社は問わないがVisaブランドのカードのみとなっており、タッチ決済に対応している必要がある。クレジットカードだけでなくデビットカードやプリペイドカード、またはこれらのカードを設定したスマートフォンでの決済も対象だ。

ポイント還元とキャンペーン

乗車ポイントは4事業者で乗降した際の支払金額が対象となるが、相互直通運転など他社線に乗り入れた場合は、対象となる路線区間の運賃部分のみで計算される。

乗車ポイント自体は200円1ポイントだが、これに加えて通常のカードの決済ポイントが加算される。買い物時などの決済で貯まるポイントで、200円1ポイントであれば乗車ポイントと合算して200円で2ポイントが貯まる。三井住友カードのカードで決済ポイントが8%といったカードの場合、それに加えて乗車ポイントが貯まる形だ。

さらに10月7日から12月30日までは、乗車ポイントが10倍になるキャンペーンも実施されるため、ポイント還元は5%になる。上記8%とあわせると乗車するだけでポイントが13%貯まることになる。

例えばつくばエクスプレス・流山おおたかの森駅から秋葉原駅まで週2回往復する場合、交通費は往復1,380円、週2回(月8回)で11,040円となり、決済ポイント8%が880ポイント、乗車ポイント5%が550ポイントとなるため、合計では1,430ポイントが貯まる計算となる。

データ分析と今後の展望

この4社は年間輸送人員が7.8億人規模。あくまで延べ人数だが、こうした多くの利用者へ訴求していく。stera transit導入事業者全体では128億人まで達しており、利用者の拡大を図っていく。

貯まったポイントは普段の買い物や投資などにも使えるほか、VポイントPayアプリを使えばスマートフォンのタッチ決済経由でクレカ乗車にも使うことができる。

乗車ポイントは単なるポイント還元だけでなく、特定路線やエリアの利用者へのポイント還元、沿線イベントに合わせたポイントアップ、ロイヤリティ施策、オフピーク時間帯への利用誘導など、交通事業者の新たな利用促進策やマーケティングに繋がる仕組みとして位置づけられている。

三井住友カードのTransit本部長兼Transit事業企画部長の石塚雅敏氏は、「クレカ乗車は乗車を受け付ける決済基盤から、公共交通の利用を増やして運行や業務を効率化する基盤に進化していきたい」と話す。

その上で、「今後実際の乗車増加や沿線での消費活動が向上したかを検証し、交通事業者と地域が一体となって人の動きを作る新しいマーケティング基盤として育てていく方針」と話す。

stera transitの拡大状況

Vポイントは、全国約16万店の加盟店を有する共通ポイントで、無理なく日常の暮らしの中で自然に貯められることを目指しているという。今回の4事業者での利用では、クレカ乗車だけでポイントが貯まり、ポイントカードの提示など特別な行動も不要という点もアピールされている。

stera transitは、すでに46都道府県・236事業で導入が発表されており、2028年度にはこれが47都道府県・300事業への拡大を目標としている。

2024年度以降でも、10月に関西での一斉導入、25年2月に熊本路線バス900両の一斉導入、そして26年3月には首都圏11事業者での相互利用が開始された。首都圏ではその後約820駅まで利用可能駅が拡大した。改札の通路数も当初の1.8倍となる約1,300通路まで広がっている。

もともとクレカ乗車自体は海外からのインバウンド利用が想定されていたが、海外発行クレカの利用状況は全体で約10%程度で、国内ユーザーの利用が拡大。この2年間で利用数は約10倍まで拡大したという。

首都圏での利用状況を分析すると、首都圏在住者は幅広い年代がクレカ乗車を利用。それ以外の居住者が首都圏に来てクレカ乗車を使う割合は、特に20代が多かった。インバウンドでは中国、台湾、香港が伸びているそうだ。こうした利用データを見ながら、例えば沿線を訪れる人が多い国の言語案内表示をする、といった対策が可能になると石塚氏は言う。

どこからどこに移動したかという移動履歴だけでなく、そこでどんな行動をして購買をしたかといったデータを踏まえて、公共交通が地域経済に果たす役割がより具体的に分かる、と石塚氏はアピールする。

石塚氏は、公共交通機関の利用者を増やすには、沿線に住みながら利用していない人はどんな人で、どんなライフスタイルか、といった実態の理解が重要だと指摘。三井住友カードやVポイントなど、それぞれが持つデータを適切に連携して分析することで、それぞれの活動をより深く理解できると石塚氏は言う。

そのため、公共交通機関にはデータ分析の「Custella Transit」を無償提供。統計データを分析できるようになっているほか、クレジットカードや加盟店の情報を含めたレポートも提供している。ここにVポイントのデータも加わるため、より深い分析が可能になるとしている。

今回の乗車ポイントは、2年間の実証実験という位置づけだが、共通ポイントの効果測定を行って成果を判断する。そうした分析に応じて、他の国際ブランドへの拡大も検討する。4社以外の交通事業者への拡大については順次進めていきたい考えだ。

石塚氏は、「Vポイントを通じて移動と消費、町と交通を結びつけていくことに期待したい」と話し、ポイントをきっかけに乗車したり沿線の町に降りたり、交通機関と沿線の活性化に繋がることを目指していく。