大津祭の曳山、人形衣装と鉦を新調 宵宮で披露へ
大津祭の曳山、人形衣装と鉦を新調 宵宮で披露へ

昨年、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された滋賀県の「大津祭」(宵宮10月10日、本祭11日)で巡行する曳山「西王母山」(丸屋町)の人形衣装と、「西行桜狸山」の鉦の修理が完了した。いずれも大正期の風情をよみがえらせる改修で、新調された衣装や鉦は、宵宮で披露される。

国庫補助修理事業の一環として改修

2016年に大津祭が国の重要無形民俗文化財に指定され、17年に始まった国庫補助修理事業の一環。計約1400万円をかけた。

西王母山のからくり人形である「西王母人形」の衣装は、24~25年度に復元新調した。上着は、着物で用いられることが少ない高級な「つづれ織り」の特注品。江戸時代に作られ、「大正八年九月改作」と記されていたことから、大正期に仕立て直されたものと考えられている。

復元新調の過程と工夫

新調に際して、専門家の調査を経た。上着の図柄が反転していることから、衣装を一度ほどき、裏返して仕立て直した可能性があることが判明。そのため、復元では上着の柄を本来の向きに戻すことになった。正確な復元図案を作るため、復元新調を請け負った京都市の老舗織物メーカー「川島織物セルコン」や町の担当者らが何度も協議を重ね、完成にこぎ着けた。

また、上着にあしらわれていた銀糸は、時間経過による変色が予想されることから、今回は金糸を使った。帯の金具はクリーニングして再利用するなど、古い部材を生かしつつ、耐久性を向上させて仕立て直した。袴や、人形が手に持つ「唐団扇」も同時に復元新調を施し、本来の鮮やかさを取り戻した。

西行桜狸山の鉦新調

西行桜狸山では、お囃子に用いる鉦4挺を新調した。16年から使用されていた鉦が破損し、24、25年の祭りでは大津祭保存会が所有する鉦で代用していた。今回、約100年間使用されたとみられる大正製の鉦を基に成分を分析し、銅とスズの割合などを確かめて当時の形状を再現し、音色も試作を重ねて本来に近いものに仕上げたという。

保存会の古家弘巳会長は「毎年、『今年はこれを見てください』という祭の見所を作っている。たくさんの人に興味を持ってもらって、長く続けていきたい」と話している。