暗号資産と聞くと、ビットコインなどを売買して利益を狙うイメージを持つ人も多いかもしれない。しかし現在は、500円からの積立や、保有する暗号資産を活用するサービス、普段のクレジットカード利用を通じて暗号資産を受け取る方法など、関わり方も広がっている。今回は、暗号資産をめぐる最新動向とともに、初心者でも知っておきたい身近なサービスや利用時の注意点を紹介する。
米国の規制動向と暗号資産市場
米国では、暗号資産に関する規制整備が進められている。注目されているのが、暗号資産の「証券」「商品」としての扱いや、SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の管轄分担を明確にすることを目指す「クラリティ法案」だ。
2026年9月15日、米上院で審議入りに向けた討論終結動議が必要な賛成票を得られず、法案の審議が停滞した。年内成立への道筋は厳しくなったと報じられており、今後の規制の行方を左右する可能性がある11月3日の米国中間選挙にも注目が集まっている。
少額で買う・保有資産を活用する方法
少額積立は、あらかじめ決めた金額で、定期的に暗号資産を購入する方法だ。自動購入のサービスを利用すれば、購入のたびに注文する手間が省ける。まとまった資金を用意せず、自分の予算に合わせて始められるのが特徴だ(元本は保証されず、暗号資産の価格変動によって損失が生じる可能性がある)。
例えば、SBI VCトレードの「かんたん積立」は、500円から利用でき、暗号資産・電子決済手段を含む31銘柄に対応している。積立頻度は「毎日」「毎週」「毎月」から選択可能だ。GMOコインの「つみたて暗号資産」も同様に、3つの積立頻度から選択できる。
保有する暗号資産は売却せずに有効活用できる。「ステーキング」は、対象の暗号資産をネットワークの取引検証などに役立て、その対価として報酬を受け取る仕組みだ。事業者によっては、対象銘柄を口座で保有することで報酬を受け取れるサービスを提供している。主にPoS(プルーフ・オブ・ステーク)や、その派生方式を採用する暗号資産が対象で、対象銘柄はサービスによって異なる。
「レンディング」は、保有する暗号資産を事業者に貸し出し、対価として報酬を受け取る仕組みだ。ビットコインなどが対象だが、対象銘柄や貸出期間、料率はサービスによって異なる(貸出先の破綻などにより資産が返還されない可能性や、貸出期間中に売却・途中解約できない場合がある点に注意が必要だ)。
カード利用で暗号資産を受け取る
暗号資産を直接購入する以外に、日常の買い物を通じて受け取る方法もある。クレジットカードの中には、利用金額に応じて貯まったポイントを、暗号資産に自動交換するサービスを備えたものがある。普段どおり日本円で買い物や支払いをしながら、暗号資産を保有できる仕組みだ。
例えば「SBI VISAクリプトカード」では、通常、利用金額の0.5%相当がポイントとして還元され、申込時に選択したビットコイン・イーサリアム・XRPのいずれかに自動交換される。「bitFlyer クレカ」は、利用で貯まったポイントがビットコインに自動交換される。また、「EPOS CRYPTOカード for bitbank」は、ビットコイン・イーサリアム・アスターの3銘柄から受け取る暗号資産を選べる。カードによって還元率や年会費、連携する口座が異なるため、利用条件を比較するとよいだろう。
円建てステーブルコイン「JPYSC」を貸し出す方法も
暗号資産とは異なるデジタル資産として、円建てステーブルコイン「JPYSC」もある。日本円と1対1で連動するように設計されており、SBI VCトレードの口座内では1JPYSC=1円で取引される。資金決済法上の分類は「電子決済手段」で、ビットコインやイーサリアムなどの「暗号資産」とは異なる。
活用方法の一つが、SBI VCトレードの「JPYSCレンディング」だ。購入したJPYSCを同社に一定期間貸し出し、対価として報酬を受け取る仕組みである。ビットコインなどの値上がり益を狙う方法とは異なり、円に連動するデジタル資産を貸し出して活用する。
自分に合う方法を選ぶには
ここまでをまとめると、暗号資産や円建てステーブルコインへの身近な関わり方は以下のとおりだ。
- 少額で積み立てる
- 保有資産を活用する
- クレジットカード利用で貯める
- JPYSCを利用する
ご自身の投資に対する考え方やライフスタイルを踏まえると、選びやすいだろう。少ない資金で始めたい方は積立、普段からカード利用の多い方はクレジットカードで貯める方法が向いている。
気になる方法が見つかったら、積立の方法、レンディングの条件、クレジットカードの機能など詳しい情報を調べてみてはいかがだろうか。