ハヤト・DYホールディングスは6月29日、AIやボットを排除して人間だけに広告を配信する新会社「Ads for Humanity」を4月に設立し、新広告商品「Human-Verified Ad」の販売を開始したと発表した。この技術は、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏らが共同開発した人間認証技術「World ID」を活用する。
World IDとは何か
World IDは、専用デバイスで虹彩をスキャンすることで、個人情報を明かさずに「実在する一人の人間」であることを証明できるIDだ。現在、世界1800万人以上がWorld IDを保有している。この認証技術を広告配信に応用することで、広告主は自社広告が確実に人間に届いたことを検証できる。
広告ネットワーク「Human-Verified Ad Network」は、World IDの人間認証技術と韓国LG Electronicsのブロックチェーン技術を基盤に、配信実績をブロックチェーンに記録する。これにより、広告主は自社広告が人間に届いたことを証明可能となる。
配信プラットフォームと対応広告形式
配信はハヤトDYグループの「Hakuhodo DY ONE」の広告配信サービス「WISE Ads」を通じて行われ、ディスプレイ広告、インフィード広告、動画広告に対応する。
近年、AIエージェントが文章を理解し、広告クリックやフォーム入力を人間と見分けがつかない形で自律動作するなど、デジタル広告の不正取得(アドフラウド)が深刻化している。これを受けて新会社を設立した。
今後の展開
今後はサービス事業者との連携で認証ユーザーを拡大し、媒体社との協業で配信面を広げる方針だ。
関連記事として、電通とHakuhodo DY ONEは6月18日、米OpenAIの「ChatGPT」での広告パイロットについて、国内ローンチパートナーとして取り扱いを開始したと発表した。また、OpenAIは6月10日、ChatGPTの広告に関する規定を追加したプライバシーポリシーを改定し、無料プランと「Go」プランが対象となる。
さらに、サム・アルトマン氏が共同創業した米新興企業Worldcoinはイベントを開催し、社名変更や虹彩スキャンデバイス「Orb」の次世代モデルを発表した。Worldcoinは2019年にアルトマン氏が共同で立ち上げた暗号通貨プロジェクトで、球形虹彩スキャンツール「Orb」による「World ID」提供が東京を含む世界の都市で始まった。



