トヨタと東北大、全固体電池材料開発でAI活用へ
トヨタ自動車と東北大学は、全固体電池の材料開発に人工知能(AI)を活用する共同研究を開始したと発表した。従来の試行錯誤に頼った開発プロセスを大幅に効率化し、2020年代後半の実用化を目指す。
AIで材料探索を高速化
研究では、東北大学が開発した材料探索用AI「マテリアルズ・インフォマティクス」を活用。数千種類の候補材料から、イオン伝導度や安定性に優れた材料を短期間で絞り込む。トヨタはこれまでに全固体電池の試作品を公開しているが、量産にはコストと性能の課題があった。
共同研究では、AIによる予測と実験検証を繰り返し行うサイクルを構築。これにより、従来の開発期間を半分以下に短縮できる見込みだ。トヨタの担当者は「AIの活用で、材料開発のスピードを飛躍的に高められる」と述べている。
全固体電池の実用化に向けて
全固体電池は、電解質を固体にすることで、従来のリチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が高く、発火リスクが低いとされる。電気自動車(EV)の航続距離延長や充電時間短縮に貢献すると期待されている。
トヨタは2025年までに全固体電池を搭載したEVを市場に投入する計画を掲げていたが、技術的な課題から時期を修正。今回のAI活用により、2020年代後半の実用化を改めて目標に据える。東北大学の研究チームは「AIと実験の融合で、材料開発のパラダイムシフトを起こしたい」と意気込みを語る。
産学連携で競争力強化
トヨタは全固体電池の開発で、パナソニックや出光興産などとも連携。政府の「グリーンイノベーション基金」も活用し、国内での電池サプライチェーン構築を目指す。今回の東北大との連携は、基礎研究から応用までを一気通貫で進める狙いがある。
全固体電池の市場は、2025年には世界で約1000億円、2030年には数兆円規模に拡大するとの予測もある。トヨタはEVシフトで出遅れたとの指摘もある中、独自技術での巻き返しを図る。



