mRNAワクチンの免疫誘導の仕組み、東京理科大と東大が解明
mRNAワクチンの免疫誘導の仕組みを解明 東理科大と東大

新型コロナウイルスのパンデミックで短期間に開発されたmRNAワクチンが、どのように免疫の力を引き出しているのか。その仕組みの一端を東京理科大と東京大のチームが解明した。

抗原提示細胞に取り込まれやすい仕組み

mRNAワクチンは、ウイルスのたんぱく質の設計図の一部を脂質の粒子で包んだものだ。体の細胞に取り込まれると、設計図通りのたんぱく質ができる。そのたんぱく質は分解され、細胞の表面に出て、「抗原」として免疫系を刺激する。免疫系はその抗原を覚えて、本物の病原体が侵入した時に素早く戦えるように準備する。

準備のひとつが「抗体」だ。mRNAワクチンはたくさん抗体をつくる。それだけではなく、「キラーT細胞」も効率よく活性化するという。キラーT細胞は、病原体に感染した細胞ごと攻撃する。

マウス実験で確認

チームは、この仕組みを詳しく探った。新型コロナのmRNAワクチンと同じ脂質を使い、中身はウイルスではなく、卵に含まれるたんぱく質の設計図にしたワクチンを作製。マウスに筋肉注射した。すると、抗原を表面に出して免疫系を刺激する「抗原提示」役の細胞に取り込まれやすいことがわかった。

その細胞は強力に抗原提示を行うとみられる。パンデミックは終わったが、研究は続いている。