政府、AI規制法案を今国会提出へ リスク管理義務化
AI規制法案を今国会提出へ 政府方針 (20.07.2026)

政府は、人工知能(AI)の活用拡大に伴うリスクを管理するため、企業に対しAIシステムの安全性評価とリスク対策を義務付ける新たな規制法案を、今国会に提出する方針を固めた。関係者への取材で明らかになった。

法案の概要と背景

法案は、AIの開発・提供・利用事業者を対象に、リスクの程度に応じた段階的な規制を設ける。特に、医療診断や自動運転など、人命や社会インフラに重大な影響を与える「ハイリスクAI」については、事前の適合性評価や第三者認証を義務付ける。一方、リスクの低いAIは自主的なガイドライン遵守を求める。

政府が規制に踏み切る背景には、生成AIの急速な普及がある。チャットGPTなどの登場で、偽情報の拡散やプライバシー侵害、雇用への影響など、新たな社会的リスクが顕在化している。欧州連合(EU)が世界初の包括的なAI規制法「AI法」を2024年に成立させたことなど、国際的な規制の流れも後押しした。

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経済界の反応と今後の課題

経済界からは、規制強化がイノベーションを阻害する懸念の声が出ている。日本経済団体連合会(経団連)は「過度な規制はAI開発の競争力を損なう」と慎重な対応を求めている。一方、消費者団体は「安全面の規制は不可欠」と歓迎する。

政府は、法案の成立後、関係省庁で構成する「AI戦略会議」を設置し、運用の詳細を詰める方針。また、中小企業向けの支援策や、AI人材育成のための予算措置も検討する。与党内では、法案審議を通じて、個人情報保護や著作権との整合性も議論される見通しだ。

国際比較と日本の独自性

EUのAI法は、リスクに基づく規制で日本案と共通するが、罰則規定が厳しく、巨額の制裁金を科す。日本案は、罰則よりも事前のリスク評価と自主的な改善を重視する「ソフトロー」的な要素を残す。米国は現時点で包括的な連邦法はなく、バイデン大統領の大統領令による規制が中心だ。

日本の規制法案は、経済成長と安全性のバランスを図る「人間中心のAI社会」の実現を掲げる。政府は、法案を今国会で成立させ、2026年の全面施行を目指す。

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