日本でAI(人工知能)を開発するプリファード・ネットワークスの岡野原大輔社長(44)は「AIは石油や半導体に匹敵する戦略資源になる」と語る。7月に始動した国産AI開発の企業連合「ノエトラ」の共同研究開発統括責任者も務める岡野原氏に、米中が大きくリードするAI分野での国産AIの課題と可能性などをたずねた。
ミュトスは技術的な転換があったのか
米アンソロピックのAI「クロード・ミュトス」について、岡野原氏は「何か特別な発明があったわけではない。従来からの性能改善の延長線上に、AIが粘り強く試行錯誤しながら、複雑な課題を解決する能力が高まった結果、特にサイバーセキュリティー分野で性能が大きく向上した」と説明する。
その上で「懸念としては、最先端AIを利用開発したところが常に攻撃においても防御においても高い能力を持ち続け、利用できない組織は不利になる『非対称性』が続くことだ。サイバーセキュリティーでも、守る側も最強クラスのAIへのアクセスを確保しなければ不利になってしまう。同じような問題は今後、サイバー攻撃以外の分野でも起きる可能性がある」と指摘する。
中国が米国に追いつく可能性
中国が米国に追いつく可能性について、岡野原氏は「技術力という点では追い抜く可能性がある。世界のAI研究者の大半は米国と中国が占め、米国で活躍する研究者にも中国の出身者が多い。中国が1年程度でミュトス級、あるいはそれを超える能力を持つAIを開発しても不思議ではない」と述べた。
ただ、半導体など計算に必…



