AI攻撃が誰の手にも渡る日は近い、ソフトバンク実演で2時間もたない企業防衛
AI攻撃が誰の手にも渡る日は近い、ソフトバンク実演

ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏は、自社のイベントでAIを用いたサイバー攻撃の実演を行い、企業の防御がわずか2時間も持たない現実を明らかにした。この実演では、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)を備え、事前の脆弱性チェックで高リスクの穴がゼロだったECサイトが、1時間57分で氏名やクレジットカード番号を盗まれ、最終的にサイト停止に追い込まれた。一方、高リスクの脆弱性を3件持つ別のシステムは、わずか11分で陥落した。

AIから見れば防御は穴だらけ

ソフトバンクの宮川氏は、「AIから見れば、我々がやった対策なんかは防御にすらなっていないのかもしれません」と述べた。人間が複数人で設計したシステムには、入力漏れや設定ミスが残る。「人間にとっては完璧に見えるパズルでも、AIから見れば穴の開いたパズルのように見えているのかもしれません」と宮川氏は指摘する。

攻撃AIモデルの現状とオープン化の脅威

この攻撃力を持つAIモデルは、孫氏によると米政府の管理下にあり、世界でもごく一部の企業にしかライセンスされていない。孫氏は「たまたま」その1社になったと語るが、背景にはOpenAIとの資本関係がある。ソフトバンクグループはOpenAIのソリューション導入に年間30億ドルを支払う契約を結び、折半出資の合弁会社SB OAI Japanを設立した。防御サービスを担うのもこの合弁会社だ。

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問題は、この限られた状態がいつまで続くかだ。AIの世界では、最先端モデルの登場からしばらくすると、誰でも入手して使える「オープンモデル」が現れる。ChatGPTのような大規模言語モデルでは、この期間が33カ月だった。動画生成AIでは10カ月に縮んだ。サイバーモデルは2026年5月に登場した。半分ずつ縮むペースが続けば、オープン化まで半年もない計算になる。宮川氏は講演の終盤、経過月数を踏まえて「あと3カ月以内かもしれません」とまで踏み込んだ。オープン化すれば、専門家でなくても特別な設備がなくても、AIにサイバー攻撃をさせられる。

脅威の実態と企業の対応策

ただし宮川氏は、脅威をあおるだけでは終わらなかった。2026年6月に中国でサイバーAIが発表された際は、自ら中身を確かめている。調べてみると、それはオープンモデルではなく、攻撃を実行できるほどの力もなかった。話題が先行しているが実態はまだ追いついていない。宮川氏は、企業が今からできる対策として、AIを用いた防御システムの導入や、定期的な脆弱性診断の重要性を強調している。

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