東洋経済の特集記事では、5G技術における日本企業の現状と将来性が詳細に分析されています。世界の5G市場は急速に拡大しており、2025年には全世界のモバイルデータトラフィックの45%を5Gが占めると予測されています。しかし、日本企業の競争力はかつてほどの勢いを失っているとの指摘があります。
日本企業の5G競争力の現状
記事によると、日本の通信機器メーカーは世界市場でシェアを低下させています。例えば、富士通やNECは国内では一定の存在感を示すものの、グローバルではファーウェイ、エリクソン、ノキアに大きく水をあけられています。特に基地局市場では、中国のファーウェイが約30%のシェアを占める一方、日本企業の合計シェアは10%未満にとどまっています。
また、5G関連の特許出願でも日本企業の存在感は薄れています。2020年のデータでは、5G必須特許のシェアで日本企業は全体の約8%にとどまり、韓国や中国、米国に後れを取っています。この背景には、研究開発投資の不足や、標準化活動への積極性の低下があると専門家は指摘します。
政府の支援と企業の取り組み
政府は「Beyond 5G」戦略を掲げ、次世代通信技術での巻き返しを図っています。総務省は2025年までに5G関連の特許シェアを10%以上に引き上げる目標を設定し、研究開発への補助金や税制優遇措置を拡充しています。
一方、日本企業も独自の取り組みを強化しています。NECはオープンRAN(Open Radio Access Network)技術に注力し、ベンダー依存度の低いネットワーク構築を提案。富士通は産業向け5Gソリューションを強化し、スマート工場や遠隔医療などの分野で実証実験を進めています。
「日本企業はコア技術で劣るものの、アプリケーションやシステムインテグレーションの分野で強みを発揮できる」と、記事では東洋経済のアナリストが述べています。
今後の課題と展望
5Gの本格普及には、周波数帯の確保や基地局の整備、そしてキラーアプリケーションの創出が不可欠です。日本では2023年時点で5G人口カバー率が約90%に達しているものの、トラフィックの多くは4Gに依存しており、5Gならではのサービスは限定的です。
さらに、6Gを見据えた研究開発も重要です。日本は光通信技術やテラヘルツ波の分野で先行しているものの、標準化や国際連携で後れを取るリスクがあります。産学官連携を強化し、グローバルなエコシステムに参画することが求められています。
「日本が再び通信技術でリーダーシップを取るためには、従来の延長線上ではない革新的なアプローチが必要だ」と、同記事は結論づけています。



