日本政府は、次世代通信規格「5G」の通信網整備を加速するため、新たに1兆円規模の追加投資を行う方針を固めた。2025年度までに全国の人口カバー率を90%以上に引き上げる目標を掲げており、総務省が2024年度予算案に関連経費を計上する。
背景と目的
5Gは高速大容量通信を実現し、自動運転や遠隔医療、スマート工場など様々な分野での活用が期待されている。しかし、日本では基地局の整備が遅れており、2023年時点の人口カバー率は約70%にとどまっている。政府はこの遅れを取り戻し、国際競争力を強化する必要があると判断した。
追加投資の財源は、財政投融資や民間資金の活用を検討。通信事業者への補助金や税制優遇措置も含まれる見込みだ。総務省は「5Gの早期普及は経済成長の鍵であり、官民連携でインフラ整備を進める」とコメントしている。
具体的な計画
投資額の内訳は、基地局建設費に約6000億円、光ファイバーなどのバックホール回線整備に約2000億円、研究開発支援に約2000億円を見込む。政府は2025年度までに全国約3万か所に基地局を新設し、地方部でのカバレッジ拡大を優先する。
また、2025年の大阪・関西万博に向けて、会場周辺での高度な5Gサービス実証実験も計画。自動運転バスや遠隔手術のデモンストレーションを行う予定だ。
今後の課題
一方で、専門家からは「投資効果を最大化するには、周波数帯の有効活用や国際ローミングの標準化が必要」との指摘がある。また、基地局設置に伴う住民の健康不安への対応も課題となる。政府は安全性に関する情報発信を強化する方針だ。



