2024年第1四半期の5G基地局市場において、中国のファーウェイ(華為技術)と中興通訊(ZTE)の2社が世界シェアの40%超を占め、存在感を強めている。これに対し、日本のNECや富士通などのシェアは低迷しており、巻き返しが課題となっている。
ファーウェイとZTEが市場をリード
市場調査会社のOmdiaによると、2024年第1四半期の5G基地局市場(NR、LTE含む)で、ファーウェイがシェア31.3%で首位、ZTEが11.5%で3位につけた。2位はスウェーデンのエリクソン(24.5%)、4位はフィンランドのノキア(16.4%)で、上位4社で約83%を占める。
一方、日本のNECと富士通はそれぞれシェア2%未満と、存在感は限定的だ。特にNECはかつて基地局事業で世界トップクラスだったが、現在は国内市場に特化しつつある。
日本勢の苦戦と戦略転換
日本企業が5G基地局で苦戦する背景には、技術面や価格競争力の差がある。ファーウェイは製品の性能と価格で優位に立ち、中国国内の巨大市場を背景に規模の経済を活かしている。さらに、米国による制裁で一部市場から締め出されたものの、新興国を中心にシェアを伸ばしている。
NECは2023年12月、イギリスのボーダフォンと5G基地局の共同開発で合意。欧州市場での巻き返しを図る。富士通はNTTドコモ向けに5G基地局を供給しつつ、ソフトウェア化や仮想化技術で差別化を狙う。
市場の行方と今後の展望
5G基地局市場は今後、6Gへの移行を見据えた技術開発競争が激化する。Omdiaのアナリストは「中国勢の台頭は当面続くが、日本企業はオープンRAN(O-RAN)など新たな技術領域で巻き返しの可能性がある」と指摘する。
O-RANは基地局の構成要素を標準化し、異なるベンダーの機器を組み合わせられるようにする技術で、日本勢が参入しやすい分野とされる。政府もNECや富士通などと連携し、O-RANの国際標準化を推進している。
ただし、O-RANの商用化はまだ初期段階であり、既存の大型ベンダーに対抗するには時間がかかる見通し。日本企業が再び世界市場で存在感を示せるかは、今後の技術開発と事業戦略にかかっている。



