第108回全国高校野球選手権大会は22日、決勝が甲子園球場で行われ、群馬県代表の健大高崎は智弁和歌山(和歌山)に3-4で敗れ、初優勝はならなかった。
序盤の失点と反撃
健大高崎は二回に2失点。五回に狩野選手の右適時二塁打で1点を返し、八回には主将の石田雄選手が1死二塁の場面で2点本塁打を放ち、勝ち越しに成功した。しかし、その裏の守備で2点を奪われ、敗戦を喫した。
準決勝までの5試合のうち3試合を1-0で制し、堅守と投手力が光った健大高崎だが、二回裏に智弁和歌山の川原選手に二塁打を放たれ、続く山下選手の適時三塁打で先制された。さらに2死三塁で長友選手のファウルフライを三塁手の石田翔選手が落球。その後、長友選手の適時二塁打で追加点を許した。
主将の一打と監督の言葉
1点を返して迎えた八回表、1死二塁の好機で石田雄主将に打順が回った。「一度タイムが入り、時間ができたのでアルプススタンドの仲間、ベンチの仲間を見て勇気をもらった」。振り抜いた打球は右翼スタンドに飛び込み、逆転の2点本塁打となった。しかし、直後の八回裏にスクイズなどで再び逆転を許し、初の夏の甲子園優勝とはならなかった。
試合後、青柳博文監督は「もう一歩だったがみんなよくやってくれたと思う。夏の決勝の景色を見せてくれて選手には本当に感謝しかない」と選手たちをねぎらった。石田雄主将は「負けたのは悔しいけど、健大高崎の歴史を作ることができた。18年間生きてきた中で最高の夏だった」とすがすがしい表情を浮かべた。
アルプススタンドの応援
健大高崎のアルプススタンドは約1800人が応援した。前日夜に学校を出発したバスで駆け付けた生徒もいて、準優勝が決まった瞬間、大きな拍手が鳴り響いた。
バレーボール部の3年・横田百珂(もか)さん(17)も前日夜出発のバスで駆け付けた一人。バレーボール部は今月上旬、全国高校総体(インターハイ)に出場したが、目標の決勝トーナメントには進めなかった。野球部を「一緒に戦う仲間。いつも勇気をくれる存在」と表現し、「ここで力をもらい、秋の春高バレー予選で頑張りたい」と語った。
エースの父の思い
2年生エース・石垣聡志投手の父、信太郎さん(40)は「みんなの応援のおかげで息子はここまで来られている」と感謝の言葉を口にした。幼稚園時代に家族で神宮球場を訪れ、ヤクルト戦を観戦したことをきっかけに野球を始めた。生まれ故郷の石垣島を離れて健大高崎に入り、甲子園の舞台へ。準々決勝の有明戦で110球完封勝利を挙げるなどの活躍で、チームを夏の甲子園で初となる決勝進出へと導いた。
マウンドで躍動する息子の姿に「先輩やチームメートと一緒に一生懸命練習してきたんだな」と誇らしく思う。大会中は疲れもあるだろうと気遣い、連絡の際は「かっこよかったよ」といった短い言葉にとどめていたという。試合には惜しくも敗れたが「甲子園出場も、今回の決勝も、息子の中で目標の1つだった。これからも応援していく」と語った。



