プロ野球の広島東洋カープは1日、昨季のセントラル・リーグ首位打者の小園海斗内野手(26)のほか、矢野雅哉内野手(27)、前川誠太内野手(23)、田村俊介外野手(23)と、来季の契約を結ばないと発表した。指定薬物「エトミデート」を巡る問題で、球団は信頼関係を築くのは難しいと判断した。
指定薬物を巡る疑い
矢野、前川両選手は9月25日、「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」を巡り、医薬品医療機器法違反の疑いで広島地検に書類送検された。両選手は容疑を否認しているという。小園、田村両選手は、広島の羽月隆太郎元選手(26)にエトミデートを譲り渡したなどとして、有罪判決を受けた人物との写真が週刊誌に掲載されていた。
球団本部長の説明
内部調査を続けてきた広島の鈴木清明・球団本部長は、エトミデート使用の事実は確認できていないとした上で、「(4人は)大丈夫だと言えない。来年も(騒動が)続く可能性があるなら、どこかできちんとした方がいい。信頼関係を築くのは難しいと判断した」と疑念がぬぐえなかった点を強調。「統一契約書にも『国民の模範たるべく』という文言がある。行動を正していかないといけない」と話した。
4選手はこの日、広島市内で鈴木本部長と面談。潔白を訴えてきたという小園選手は「仕方ない。(野球は)できるんだったらやりたいですけど……」と話し、矢野選手は「『違う』と言っても、外からみたらどう思われるかわからない。球団に迷惑がかかっているのは事実。その点において謝りたい」と語った。
実績とファンの反応
小園選手は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に日本代表として出場。矢野選手は2024年、守備に優れた選手に贈られるゴールデン・グラブ賞を獲得した。
広島東洋カープの本拠地・マツダスタジアム(広島市)を訪れたファンからは様々な声が上がった。
小学生の頃からカープファンという広島県熊野町の会社員(62)は「これまで球団の対応が遅く、説明する姿勢を見せてこなかったことにファンは不信感をもってきた。今回、球団が思い切った決断をしたことは評価している」と話した。
4選手やチームに対しては、広島市南区の会社員(31)は「(ゾンビたばこ使用などの)疑いがある以上、信頼できなかった。これを機にチームとして覇気を取り戻してほしい」と求めた。同県廿日市市の会社員(62)は「選手は何をやっているんだという思いはある」としつつ、「カープ以外で手を差し伸べるような球団が出てきてほしい」と語った。