阪神連覇を支えた森下・佐藤・大山のクリーンアップ、85年と比較して
阪神連覇を支えた森下・佐藤・大山のクリーンアップ、85年と比較

セ・リーグは3日、優勝へのマジックナンバーを「1」としていた阪神が広島に敗れたものの、巨人もDeNAに敗れたため、2年連続のリーグ優勝が決まった。森下、佐藤を中心にした打線がシーズンを通じて力を発揮し、巨人との優勝争いを制した。巨人の2位も確定し、2リーグ分立後、初めて阪神1位、巨人2位の順位となった。

強力クリーンアップの活躍

2リーグ分立後、球団初の連覇を果たした阪神の原動力となったのは3番・森下翔太(26)、4番・佐藤輝明(27)、5番・大山悠輔(31)の強力クリーンアップだった。シーズンを通じて他球団に脅威を与え続け、球団初の日本一に輝いた1985年のランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布に匹敵する貢献度だった。

「タイガースの売り」。藤川球児監督は中軸の3人をそう呼び、信頼を寄せる。佐藤、森下は8月にそろって30本塁打に到達。阪神で複数選手が30本に達したのは、85年のバース、掛布、岡田、真弓明信以来だ。

データで見る貢献度

佐藤は3割超の打率を記録し、2年連続で30本塁打、100打点をクリア。「調子が悪い時でも、早く良い時に戻せるような引き出しが増えてきた」と言い、球団では85、86年のバース以来、2人目となる三冠王が現実味を帯びてきた。

直前を打つ森下も「(佐藤からの)刺激はもちろんある」と発奮。同点の場面では、佐藤の7本塁打の倍近い13本塁打を放ち、勝負強さを見せた。大山も9月21日のDeNA戦でサヨナラ本塁打を放つなど、チームの苦境を何度も救った。

この3人と甲乙つけがたいのが、85年のバース、掛布、岡田だ。いずれも打率3割、30本塁打、100打点をクリアし、4月17日の巨人戦で放った「バックスクリーン3連発」は球団史に残る名場面となった。

時代を超えた比較

数字は85年が上回る。ただ、当時はリーグ平均打率が2割7分2厘で、2割3分台の今季よりも「打高投低」。また、ラッキーゾーンがあった甲子園は1試合平均3.03本塁打と、リーグ本拠地で最も本塁打が出やすかった。対照的に今季は1.12本と最も少ない。

そうした事情を踏まえると、単純比較は難しいが、野球の統計分析に詳しい江戸川大の鳥越規央教授は「今季のクリーンアップも決して85年に劣ってはいない」との見方を示す。

時代の異なる打者を比べる指標として「wRAA(weighted Runs Above Average)」がある。リーグの平均的打者に対し、どれだけ得点を増減させたかを算出するデータ分析法だ。wRAAが「10」であれば「平均よりも10点上積みした」ことを表す。

鳥越教授の計算ではバースが63.4と最も高く、掛布は41.8、岡田は45.3だった。一方、森下は55.5、佐藤は60.3、大山は24.0。「森下と佐藤は85年に匹敵し、大山も数字に表れにくい献身的な活躍が多かった」と評価した。

シーズンの成績と今後

今季最長の7連敗で迎えた9月17日の広島戦では森下、佐藤、大山が全7打点を挙げ、連敗を止めた。「クリーンアップが打てば勝てると証明できた」と森下。シーズンでもチーム487打点のうち、55%にあたる270打点を3人でたたき出し、割合では85年の48%を上回る。

85年の「最強のクリーンアップ」は虎党の誇り。今季の3人もまた、ファンの記憶に深く刻まれたに違いない。(数字は10月1日、wRAAは9月24日現在)