巨人の則本昂大投手(35)が、今季限りで現役を引退する同学年の選手たちからの思いを受け止め、巻き返しへの覚悟を固めている。12月に36歳となる則本投手と同じ1990年度生まれの楽天・辛島航投手、日本ハム・中島卓也選手、オリックス・西野真弘選手が今季限りでユニホームを脱ぐ。則本投手は彼らから「一日でも長く現役を」と伝えられたといい、「寂しい気持ちもあるけど彼らの思いに応え、できるだけ長く投げたい」と背筋を伸ばした。同学年は「ライバルであり、戦友でもある」と表現する。
西勇輝投手への特別な思い
同学年の中でも特別な存在が、阪神で引退する西勇輝投手だ。則本投手がプロとして第一歩を踏み出した時点で、高卒でオリックスに入団していた西投手は2桁勝利の実績を持ち、ノーヒットノーラン達成の勲章もあった。先を行く右腕に「追いつけ、追い越せ」と闘志を燃やしてきた。
プロ1年目の2013年8月29日には初めて投げ合い、則本投手が7回2失点、西投手が7回3失点で、則本投手は12勝目を挙げた。直接対決では、自然と「向こうが交代するより先に絶対にマウンドを降りない」と気持ちが高ぶったという。2014年の日米野球ではそろって日の丸を背負い、2人を含めた計4投手の継投でノーヒットノーランも達成した。
通算勝利数で西投手を追う
グラウンドを離れれば、たこ焼きパーティーをするなど親交も深いが、マウンドに上がれば別。「投手の中でも常に1、2番目に意識する相手。最後にもう一回投げ合いたかった」と語る。引退報告を受けた時には、他の選手同様に長く活躍するよう激励されたという。現在、通算123勝を挙げており、西投手の127勝を抜くことも目標の一つだ。
近年、同学年の選手も球界から少なくなってきた。「会えば体のことを話して、お互いに長くやろうなという話ばかり」と笑う。自身も「現状維持は退化。常に良くなるように」と口にする一方で、「若い頃はできていたことができなくなってきた」とこぼしたこともある。
移籍1年目を振り返り巻き返しへ
移籍1年目の今季は、開幕当初に先発ローテーションの一角を任されたが、勝ち星が伸びずに救援に回り、3勝4敗、防御率4・72に終わった。「チームに貢献したいのが一番だけど、まだまだできていない」と自身に向ける視線は厳しい。
入団記者会見では「40歳までは一線で投げたい」と掲げた。「一日一日必死にやって、自分がやりきったと思えるまでやりたい」。誓いを果たすためにも、同学年から託された思いに応えるためにも、巻き返す覚悟だ。