SVリーグ女子、タイで10日開幕 海外初の公式戦、SAGA久光とA愛知が激突
SVリーグ女子、タイで10日開幕 海外初の公式戦

バレーボール・SVリーグの女子は10日、開幕する。開幕戦はリーグ初の海外での公式戦としてタイ・バンコクで開催。昨季女王のSAGA久光とA愛知(旧刈谷)のカードで3季目のリーグがスタートする。

タイで開幕戦、海外戦略の一環

タイでの開幕シリーズは10、11日の2試合。ホームとして戦うSAGA久光は複数の日本代表選手に加え、タイ代表選手も擁する。一方、昨季6位のA愛知にも長く同国代表として活躍したヌットサラ・トムコムが在籍する。

タイで開幕戦を実施する背景には、同国のバレー人気の高さがある。女子代表が8月のアジア選手権で優勝し、初の五輪となる2028年ロサンゼルス大会出場を決め、盛り上がりはさらに高まっている。日本国内でのリーグ観客動員数は昨季、1シーズン目から男女ともに増えたが、動員数には限界がある。放映権収入やファン拡大などを目指し、海外戦略をとった。

今後3年はタイで公式戦、優勝争いの構図

今後3年はタイで公式戦を開く計画で、大河正明チェアマンは「地上波放送やタイ企業がリーグやチームのスポンサーになることを目指している」と語る。リーグは昨季、男子のプレシーズンマッチをタイで開いており公式戦も来年1月に実施する。

優勝争いは連覇を目指すSAGA久光を他クラブが追う構図だ。昨季レギュラーシーズン1位のNEC川崎は佐藤淑乃(ミラノ)、和田由紀子(ブストアルシーツィオ)の日本代表コンビが海外に移籍した穴をいかに埋めるか。初年度女王で昨季準優勝の大阪Mは外国人3選手を補強し、覇権奪還に挑む。

カンファレンス制導入、選手の意気込み

女子は今季から14チームを東西の地区に分けて実施。レギュラーシーズンは自地区4試合、他地区2試合の総当たり制で計38試合を戦う。両地区の上位3チームと、4位以下のうち上位2チームの計8チームでトーナメント方式のチャンピオンシップを争う。

タイでの開幕戦を前に、同国元代表でA愛知のヌットサラ・トムコムと、日本代表でSAGA久光の栄絵里香がそれぞれ、意気込みを語った。

母国開催「幸せな気持ち」…A愛知 ヌットサラ・トムコム

長年にわたってタイ代表のセッターに君臨してきた同国のレジェンド。母国でのSVリーグ開催に「とても興奮しているし、幸せな気持ち」と笑顔で語る。

7月に41歳を迎えたベテランは昨季、コーチ兼任でチームに加入。レギュラーシーズン18試合に出場し、スピード感あふれるトスワークを武器にチームを支え、欧州でも活躍してきた経験を惜しみなく伝える。一昨季は9位、昨季は6位と着実に順位を上げるチームの成長に手応えを感じており、昨季女王との開幕シリーズも「しっかり準備できているので楽しみ」と自信をのぞかせる。

会場があるバンコクは9月下旬の大雨による冠水被害を受けた。一日でも早い復旧を願いながら、バレーボールを愛する国民へ「自分たちのエナジーや情熱を届けたい」と意欲を燃やす。

代表の経験「還元したい」…SAGA久光 栄絵里香

今年、35歳にして初めて日本代表に選出されたセッターだ。諦めかけていた夢の舞台でトスを上げ続けた日々を「チームに還元したい」と意気込む。

代表では石川真佑(エジザジュバシュ)や佐藤淑乃がバックアタックで次々と得点する姿を目の当たりにした。SAGA久光ではあまり使わない戦術だったが選択肢が増えれば相手は的を絞りづらくなる。自チームでは主将。「若いスパイカーを育てる立場でもある」と自覚をにじませ、「若手の打力も上がっているので意図的に打数を増やしている」という。

「昨季女王」「日本代表」という肩書は重圧にもなるが、そこは経験豊富なベテラン。「ありのままの自分でいきたい」と力みはない。「タイはバレー人気がすごいと聞いているので、そういう環境でプレーできるのを楽しみたい」と心待ちにしている。